ブックタイトルメカトロニクス5月号2021年

ページ
8/52

このページは メカトロニクス5月号2021年 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

メカトロニクス5月号2021年

8 MECHATRONICS 2021.5タレット刃物台にLFV技術を初搭載した高光度2.0cdを小型1608 サイズで実現した新シリーズの主軸台固定形CNC自動旋盤ミヤノを発表高光度白色チップLEDを開発 シチズンマシナリー(株)は、主軸台固定形CNC自動旋盤ミヤノから新シリーズとなる『ANX42SYY』を2021年7 月より発売すると発表した。 4 年ぶりとなる新シリーズミヤノの本製品は、最大加工径φ42mmの主軸を搭載した、正面/背面の同時加工ができる2スピンドル・2タレットのバー材加工機で、タレット刃物台に初めてLFV(低周波振動切削)技術(以下、LFV技術)を搭載した。また、正面、背面両主軸に「ビルトインスピンドルモーター」方式を採用するとともに、スライド全軸にリニアガイドを搭載することで応答速度・早送り速度を向上。加えて自由度が高い同時加工を可能とする重畳制御により、サイクルタイム短縮に貢献する。さらに、上部、下部の両タレットにY 軸を搭載したことにより、複合加工、微細加工が可能になった。そして、新たに開発した新HMI ローム(株)は、バッテリー駆動のIoT機器やドローンなど、高光度の白色発光を必要とする幅広いアプリケーションに向けて、小型の高光度白色チップLED『CSL1104WB』を開発した。 本製品は、従来困難だった高光度2.0cdを小型1608サイズ(1.6×0.8mm=1.28mm2)で実現した白色LED。現在主流である一般品の3528 サイズ(3.5×2.8mm=9.8mm2)と同等の光度を実装面積87%減の1608 サイズで達成している。同時に、白色LEDの課題である色のばらつきを改善しており、正確な白色表現により色の調整作業を簡略化可能。これらにより、アプリケーションに対して、省スペース化に貢献するだけでなく、高光度LED の高密度実装によるデザイン性/視認性向上、そして開発工数の削減にも貢献する。また、使用環境が苛酷な自動車(ヒューマン マシン インターフェイス)操作盤を搭載。構造解析により最適化された鋳物構造に各機器類を適正配置することで、既存製品と比べ20 %の省スペース化を図るなど、操作性や使い勝手にも配慮したコンパクトな機械となっている。 LFV技術は、シチズン独自の制御技術により、サーボ軸を切削方向に振動挙動させ、切削中に刃物があたらない「空振り」する時間を設けることで切りくずを分断させる加工技術である。これにより、小径深穴加工の効率向上や、切りくずが長くなりやすい難削材旋削加工においても切りくずが細かく切断できるなど、切削加工において長年の課題であった切りくずに関するさまざまな課題解決を実現している。また、切りくず容量の大幅縮小や、ワーク表面への傷防止などにより、長時間高精度加工を実現する。や産業機器でも安心して採用できるよう、オプティカルデバイス専用の車載信頼性規格「AEC-Q102」にも対応する予定。 近年、民生機器や車載電装機器を中心に、さまざまなアプリケーションにおいて視認性を向上するため、高光度2.0cd の白色LED の採用が進んでいる。一方で、バッテリー駆動のIoT機器やドローンなど、少ないスペースにLEDを多く搭載したいアプリケーションの登場に伴い、高密度実装が要求されるようになってきたが、高光度と小型化の両立は非常に困難であった。 同社では、2020 年12 月よりサンプル出荷を開始しており、2021 年3月から当面月産100 万個の体制で量産を開始する予定。2021.5 同社では、月産台数10台を予定しており、中径複雑加工が可能なグローバル戦略機として展開を行っていく。請求番号E5002請求番号E5001請求番号E0004