ブックタイトルメカトロニクス4月2021年

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概要

メカトロニクス4月2021年

MECHATRONICS 2021.4 45社から付加価値を追及した商品の市場導入が、油圧ショベルを中心に相次いでいる。 近年の情報技術の進歩により、GPSと通信システムを用いて、車両情報を遠隔管理できるシステム写真2 代表的な建設機械図1 機械の種類ブルトーザークローラー式ダンプ&油圧ショベルロードローラーホイールローダー表1 建設機械の略史年 度内 容1917年1月竹内鉱業(株)(創立1894 年)、小松鉄工所を開設し、自社用工作機械、鉱山用機械を生産1921年5月小松鉄工所を竹内鉱業(株)より分離独立し、「(株)小松製作所」を設立1930 年神戸製鋼所(現・コベルコ建機)、国産初の50K 電気ショベル。中国・撫順炭鉱へ納入1931 年10月小松製作所、農耕用トラクターの国産第1 号完成1942 年日立製作所(現・日立建機)、120H電気ショベルを開発し、戦時中、中国・撫順炭鉱に投入された1943年1月小松製作所、国産ブルドーザーの原型「小松1 型均土機」を製作1945 年11月小松製作所、新潟鉄工、羽田精機、久保田鉄工、鐘淵ディゼル、三菱重工、加藤製作所、池貝自動車が国産化に乗出す12月三菱重工等、九七式中戦車(チハ車)の砲塔を外し、排土板を装着した(更正戦車)ブルドーザーの製作開始1946 年連合軍総司令部(GHQ)による食糧増産対策を受け、農林省(現・農林水産省)が三菱重工業ほかに開墾用トラクター約6,000台を発注。これを受けて三菱重工業が製造した3tトラクターTAA3型を200 台以上生産1947 年日本開発機(後の三井造船日開)が国産初のモータグレーダHA56を試作、北海道庁に1,2 号機を納入10月小倉製鋼所、ブルドーザーKTA70を開発12月小松製作所、「D50ブルドーザー」1 号機完成1948 年小倉製鋼、ブルドーザーKTC14tを開発日本開発機、モータグレーダHA56を製作1949 年三菱重工、モータグレーダ MGⅠ(7トン)を試作、翌年2月より生産開池貝自動車、モータグレーダZSK3を試作日本開発機、モータグレーダHA40を試作日本輸送機、国産初のホイールローダーSDA25(2 輪駆動)を試作1月三菱日本重工、ブルドーザーBBⅡ(9トン)を製作開始、建設省に納入5月日立製作所、純国産のケーブル式ショベル U05(0.5m3)を開発、建設省木曽川工事事務所に納入7月月刊「建設の機械化」誌創刊1950 年3月小松製作所、初のトラクタローダ小松D50モビローダ油谷、0.5m3ショベル24-Aを製作9月日立製作所がU06を開発、U05を改良し、アタッチメント交換ができる万能掘削機とし、傑作機U106 の基礎を築く、1 号機を建設省最上川下流事務所に納車11月小松製作所がD80 の生産開始1951 年建設機械製作所(東京流機製造の前身)が東洋工業のドリフタTY44を搭載した国産初のワゴンドリルKM-1を製造3月三菱重工、BF1号機4月建設機械の新規取得優遇措置として、重要機械等の3 年間5 割増の特別償却制度が実施され、パワーショベル、モータグレーダ、アスファルトプラント、バッチ ャプラント等16 機種に適用される5月小松製作所、D30 の生産開始6月神戸製鋼、DE 型機関搭載の1.2m3級ケーブル式ショベルK35を製作10月小倉製鋼 KTF-70を日本特殊鋼がNTK-7として引継ぐ1952 年2月小松製作所、D50-510月小松製作所、モータグレーダの生産開始1953 年1月小松製作所、フォークリフト生産開始11月小松製作所、ダンプトラック、特殊車両の生産開始1956 年9月小松製作所、ショベルローダーの生産開始1965 年小松製作所、ホイールローダーの生産開始1968 年小松製作所、油圧ショベルの生産開始1973 年10月日立製作所が油圧ショベルUH07を発売1975 年小松製作所、世界最大のブルドーザーD455Aを開発2008 年小松製作所、無人ダンプトラック運行システム(AHS)を世界で初めて市場導入小松製作所、ハイブリッド油圧ショベルを世界で初めて市場導入2013 年小松製作所、世界初自動ブレード制御機能搭載中型ICTブルドーザーを市場導入を搭載することで、車両管理業務を容易にすることが可能となっている。 特に労働力不足が深刻な建設業界で遠隔から操作できる建機システムや無人で自律して動く建機な機械一般機械建設機械、工作機械、農業機械、ボイラー・原動機、繊維機械、各種産業機械、事務機械、ミシン等発電機、民生用電気機器、通信機械、電子応用装置、電気計測器等自動車、鉄道車両、船舶、航空機等光学器械、時計、精密測定器等電気機械輸送用機械精密機械どに注目されている。鉱山では既に自動運転の鉱山トラクターが稼働しており、AIや5G通信システムを使っての省人化、無人化へと進みつつある。 また、このシステムの活用により、保守契約や様々な補償制度をセットで提供することができ、効率的な機械稼働管理が可能となっている。商品のハード面とソフト面、双方での付加価値が高くなることで、顧客とメーカーの双方にメリットが実現できるといえよう。 明治元年から数えて150 年を記念して上野・国立科学博物館で「日本を変えた千の技術博」という特別展が2018年10月30日(火)?2019 年3月3日(日)まで開催された。 幕末から明治初期にかけての西洋技術との出会いから、大正・昭和・平成に至るまで暮らしを支えてきた科学や技術遺産600点以上の製品が展示された。 世界に誇る科学・技術を創り出した人物や製品などが紹介されるとともに日本の科学・技術の発展に大きく貢献した「重要文化財」、「化学遺産」、「機械遺産」などに認定された製品なども展示された。その中で展示会場には、「機械遺産」ともなる大型のブルトーザーも展示された。 これは戦時中に急遽開発され南方に運ばれ、戦後、数奇な運命をたどってオーストラリアから日本に里帰りを果たした奇跡の一台と言われる。現在は、コマツテクノセンターに保存されており、見学することが可能である。<メカトロニクス関連の歴史遺産5>「日本を変えた千の技術博」のチケットコマツブルドーザーG40(小松1型均土機)