ブックタイトルメカトロニクス12月2020年

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概要

メカトロニクス12月2020年

10 MECHATRONICS 2020.12 御社の事業展開についてお聞かせくだ さい川口 : 当社では、2014 年からカンパニー制を導入しており、現在は標準品事業カンパニーとソリューション事業カンパニーの2カンパニーで事業を展開しています。 標準品事業カンパニーでは業務の効率化を追求するのに対して、ソリューション事業カンパニーでは効率よりもお客様の満足度を追求しています。以前は、効率とお客様の満足度を同列に追いかけていたので、ある時は標準仕様で推進していたとしても、別の場面ではカスタマイズが必要になる装置もあり、混沌とした状態でした。そのため、2つのカンパニーに分けることで、標準品事業はカタログ製品を「早く」、「安く」、「うまく」をモットーにファーストフードのように取り扱い、ソリューション事業は三ツ星レストランのようにお客様をもてなしていくようなカスタマイズを主とした事業形態をとっています。 それから当社では、“ 成形工場のfactor4”を実現するという取り組みを推進しています。“factor4”とは、エイモリー・B・ロビンスらによる報告書で広く紹介された環境効率の指標の1つで、「資源やエネソリューション事業カンパニーソリューション本部 営業技術部マネジャー川口 亮 氏ニチエツ株式会社代表取締役中村 高志 氏プラスチック成形工場の働き方改革に貢献する金型交換装置~外段取り化により省人化だけでなく生産性向上を目指す~ルギーの浪費を半減し、生産性を倍にする事で、資源生産性を4倍に高め、これにより豊かさと地球環境のバランスを回復できる」とする考え方です。 当社は、この“factor4”で提唱されている「資源消費半分、豊かさ2 倍」という考え方に賛同し、プラスチック成形工場の“factor4”を実現することを使命とし、事業活動に取り組んでいます。これは、標準品事業とソリューション事業の両方に関連しており、その中で標準品事業では「世界で売れているものに対して、すべての面でそれを上回るようなものを作り売上に貢献する」ことを目標にし、ソリューション事業では「お客様の課題解決に寄り添いながら、信頼を勝ち取っていく」ことで売上に貢献していきたいと考えています。 また、“factor4” 実現のために取り組むべき内容を「消費資源CUT」、「生産量UP」、「付加価値UP」という3つのカテゴリーに分類し、それぞれ12 のソリューションに絞り込んで解決に導くための提案を行っています。 さらに、当社だけでは提案の幅が狭くなるため、“factor4” の取り組みに賛同していただける企業を募り、2011年に「グリーン・モールディング・ソリューション協会」を設立しています。この協会は、国内外の企業15 社で構成され、当社と一緒に12 のソリューションを解消するために色々な提案を行っており、現在もご賛同いただける企業を募っております。 最近では、世の中の働き方改革への要望に対する提案として「段取り時間の短縮」を実現するアイテムとなる、金型交換装置の取り扱いに力を入れているところです。 金型交換装置の協業に至った経緯や市 場の概要などをお聞かせください川口 : ソリューション事業の大きなミッションは、新規顧客の開拓と市場の拡大を目指すことですが、そのためには取り扱うアイテムの数を増していくことも重要になってきます。 昨今、プラスチック成形工場を取り巻く環境は、品質向上/短納期化/低コスト化など厳しい条件の中で、「働き方改革」への対応といった問題に対する取り組みが求められています。働き方改革については大手の企業ではすでに取り組まれているようですが、新型コロナウイルスの影響がなければ中小企業も今年の4月から制度が施行される予定でした。 当社は、この「働き方改革」にターゲットを絞り、我々が比較的得意としている小型のプラスチック射株式会社 松井製作所 プラスチック成形用設備やシステム機器に特化した事業を展開する株式会社松井製作所。今回は、同社が提唱する「豊かさを2倍にし、資源消費を半分にすることで、資源生産性を4 倍にする」という“factor4”への取り組みの中で取り扱いを開始した金型交換装置にスポットを当て、ソリューション事業カンパニー ソリューション本部 営業技術部 マネジャー 川口 亮 氏と、開発/製造元のニチエツ株式会社 代表取締役 中村 高志 氏にお話しを伺った。写真1 両側式金型交換装置と導入イメージ写真2 開発中の片側式金型交換装置と設置イメージ