ブックタイトルメカトロニクス9月2020年

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概要

メカトロニクス9月2020年

10 MECHATRONICS 2020.9 御社の概要についてお聞かせください服部 : 当社は2016 年3月に設立した会社で、将来的には自社製品を世の中に普及させたいという思いをもったメンバーが集まり、自社製ロボットの開発/販売等でスタートしました。 創業当時は、将来的に自分たちの開発したロボットが世の中で役立つために、ロボットと人のインタラクションをする部分が欠かせない要素であるという考えから、コミュニケーションロボットの分野からチャレンジをしました。当社開発のコミュニケーションロボットを使って、無人の民泊施設で、海外旅行者向けに災害情報や観光情報の案内を行ったり、IoT機器と連携して、騒音を感知して注意するというようなサービスの実証実験を行ったりしていました。また、コミュニケーションロボットを簡単なGUIでプログラミングできる教材アプリを開発し、カリキュラム取締役CTO服部 秀男 氏様々なニーズから本当に必要とされるロボットづくりを目指す~ハードウエアからソフトウエアまで一貫して開発~と一緒に教育現場に提供することも進めていました。 しかし当時は、スムーズな会話をさせるために、クラウド音声認識や音声合成サービスへ頻繁に通信を行う必要がありました。それによってクラウドサービスの利用料が高額になる傾向があり、ビジネスラインに乗るためにはコストが掛かりすぎました。あわせて、海外ではスマートスピーカーが発売され始め、「音声で指示を出すデバイスが必ずしもロボットでなければいけない理由がないのではないか」という声も出始めました。 今後ロボットが普及してきた時に、音声コミュニケーション要素も欠かせないであろうと感じてはいましたが、もう少し時間が必要であろうということと、ロボットしかできないことをやるためには何を優先したらいいのかということを改めて考えていました。 創業時から私を含めロボットづくりが好きなメンバーの集まりだったので、「ロボットをつくる時に、一番のコアとなる部分は何だろう」といったところに立ち返り、我々がフォーカスしたのがアクチュエータでした。このアクチュエータのユニットを自分たちでつくれるようになっていれば、色々と応用が利くと考えました。 そのため、創業当時はコミュニケーションロボットがベースになっていましたが、2年目以降はアクチュエータをはじめ、コミュニケーションロボット以外の自社ロボットの開発をスタートさせています。それ以外にも、今までのような生産設備の自動化ではなく、例えば人が直接操作を行っていた個所に設置して、代わりに自動操作するロボットなど、多様な受託開発の依頼をいただくようになり、徐々に事業内容も変革しています。 その中から、様々なノウハウを得られるケースが多く、それを自社製品にも活かしながらロボット関連の幅広い分野で事業展開しています。 御社のコアとなるアクチュエータにつ いてお聞かせください服部 : 当社のアクチュエータには、“Buildit”という名称をつけており、本製品の組み合わせで簡単にロボットを構築することが可能になります(写真1)。株式会社 スマートロボティクス ロボット事業をメインに展開している株式会社スマートロボティクス。様々な現場から求められる要望に耳を傾け、本当に必要とされ役に立つロボットを、ハードウエアからソフトウエアまで一貫して開発する同社の概要と事業内容、製品などについて、取締役CTO 服部 秀男 氏にお話しを伺った。写真1 『Buildit Actuator』写真2  SLAM式自動搬送機(AGV)