ブックタイトルメカトロニクス8月号2020年

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概要

メカトロニクス8月号2020年

8 MECHATRONICS 2020.8高水準の高速精密質量イメージングと光学観察性能を両立した多様化する生産現場の効率化に貢献するイメージング質量顕微鏡を発売リニアコンベアモジュールを発売 (株)島津製作所は、光学顕微鏡を搭載し、優れた分析速度とイメージング性能を併せもち、液体クロマトグラフ質量分析計としても使えるイメージング質量顕微鏡『iMScope QT』を国内外で発売した。 同製品は、高精度ステージと高安定紫外レーザおよび四重極飛行時間型(Q-TOF型)質量分析計の採用により、空間分解能5umと、従来比で3 倍の質量分解能および5倍のイメージング画像取得速度を実現。例えば、従来4 時間かかっていたマウス脳切片全体(14×7mm、分解能20umピッチ)のイメージングが、50 分程度に短縮できる。また、質量分析計部と顕微鏡部はユーザー自身での着脱が可能。顕微鏡部を取り外し、液体クロマトグラフを装着することにより、Q-TOF 型の液体クロマトグラフ質量分析計『LCMS-9030』システムとしても使用できる。 ヤマハ発動機(株)は、リニアコンベアモジュールの現行機種『LCM-X』の構造を大幅に見直し、使いやすさをさらに高めた新製品『LCMR200』を発売した。 同製品は、『LCM-X』の高精度/狭ピッチといった特徴を継承しつつ、モジュールの構造を全面的に見直しすることで剛性を大幅に高め、異物などの侵入や電気的ノイズなど環境に対する耐性も同時に向上。また、新開発の循環ユニットと組み合わせることで、設置時の精度調整が容易になった。最大64 台のスライダを1 台のコントローラ『YHX』で制御する仕組みは、『LCM-X』から引き継ぎつつ、「スタンダードプロファイル」という新開発のプログラムにより、『YHX』コントローラ内のプログラミング作業を不要とし、自動化設備の構築がより簡単になった。 製品ライフサイクルの短縮化により、モノづくりの現場『LCMS-9030』をすでにもっている場合は、顕微鏡部を購入するとイメージング質量顕微鏡として使用できる。さらに、イメージング質量顕微鏡の前処理工程「マトリックス塗布」を自動化する、イメージング質量分析用スプレー装置『iMLayer AERO』を同時発売。『iMLayer AERO』を使用することで、従来の手作業で生じていた塗布むらが抑えられ、再現性の高い分析結果が得られる。 イメージング質量顕微鏡とは、質量顕微プローブと光学顕微鏡を併せもつ質量分析計である。「顕微鏡による画像」と「質量分析計で取得できる成分分布情報」を合わせて解析することで、微小領域において対象成分の分布を可視化できる。例えば、光学顕微鏡でがんの患部を観察して、質量分析計で調べた抗がん剤の定量情報と組み合わせれば、がん部に抗がん剤が適切に届いているのかどうかでは多品種変量生産が増えており、搬送工程においても柔軟性や臨機応変な対応力が求められている。このような背景の中、リニアコンベアモジュールは従来のベルトコンベアやローラコンベアに比べて、ラインの組み替えも簡単/自由に行えるうえ、高速/高精度の搬送が可能である。幅広い業界への適用が期待でき、世界の工場での導入を見込んでいる。同社は、単軸ロボットから垂直多関節、リニアコンベアモジュールまで、生産現場の自動化を力強くバックアップする製品を幅広くトータルにラインアップする強みを活かし、複雑/多様化する生産現場の効率化・品質向上を追求している。 同社では、2020 年7 月1日より販売を開始し、年間でシリーズ合計5,000 台の販売を計画している。2020.8が確認できる。速く高精度な質量分析イメージング技術に対する世界的な需要は、創薬/医学を中心に農業や食品分野などでも伸びてきている。 同社では、2020 年6 月9日より販売を開始し、15 台/ 年(顕微鏡部と質量分析計のセット)の販売を計画している。請求番号H0008請求番号H5002請求番号H5001