ブックタイトルメカトロニクス8月号2020年

ページ
10/52

このページは メカトロニクス8月号2020年 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

メカトロニクス8月号2020年

10 MECHATRONICS 2020.8 御社を設立した経緯や事業概要などに ついてお聞かせください堀尾 : 当社は1984 年4月に設立し、社名は「21世紀を目指して活躍していく企業になろう!」という想いからつけています。私は以前、商社に勤めていたのですが、「将来は独立したい」という目標があり、「独立するなら30 歳まで」という自分なりの考えで、ちょうど30 歳の時に会社を退職しています。 当社を設立した時は、基本商社的なビジネスを考えていましたが、何を取り扱うかに関しては特に決めておらず、色々リサーチを行っていました。そのような中、大手製造メーカーが開発した「力率改善装置」という省エネ関連機器の記事を新聞で読み、この装置を取り扱いたいと思いました。 ただ、まだ何も実績のない設立したばかりの会社に、大手製造メーカーとの取り引きができるかといえばそれは無理な話で、そのため以前勤めていた商社に協力していただき、その商社経由で取り扱えるようになりました。それがきっかけとなり、ホームセンターなどの商業施設や工場を中心に省エネ関連機器の販売でビジネスをスタートさせ、現在もその商社とは取り引きが続いています。 そして、中部地方を中心にチェーン展開されているホームセンターに、この「力率改善装置」を数多く代表取締役堀尾 順一 氏様々な現場のニーズを形にしたオリジナル製品を開発~ファブレスメーカーの強みを活かしたビジネス展開~販売していたのですが、のちに電気の料金体系が変更となり、「力率改善装置」の販売が困難な状況になりました。せっかく取り引きができたのに、どうしたものかと思案していたところ、ホームセンターの担当者から「店舗で使用するセキュリティー関連製品をつくれないか」というお話しをいただきました。これが当社の転機となり、省エネ関連機器からセキュリティー関連機器へと主力が移っています。 その後、セキュリティー関連機器のビジネスを展開する中で、やはり自社のオリジナル製品を開発したいと思うようになり、それは我々が「こんな製品があればいいな」と開発するのではなく、「現場の声を形にしていきたい」と考えました。ただ、自社で工場をもたないファブレスメーカーを目指し、当社は開発のアイデアと開発費を提供して、お客様のニーズにマッチした技術をもつ会社に設計/開発を依頼し、当社のブランドで販売するビジネススタイルを進めています。 そして、多い時には20社ほどの協力会社に設計/開発を依頼し、今まで世に出ていないようなオリジナル製品を色々と販売しています。最近では、医療現場からの声にも対応できるような体制を整え、新たに医療関連の事業もスタートしています。 それから、セキュリティー関連や医療関連だけでなく幅広い市場に視野を広げており、また商社的立場のビジネスも継続しながら事業を展開しています。 御社のオリジナル製品についてお聞か せください堀尾 : 当社が、最初に自社ブランドとして提供したのは、工場内や事務所などで単独作業者の緊急事態を知らせる携帯型の無線機でした。この製品は、ボタンを押して他の人に異常を知られる仕組みでしたが、急病などで意識を失うケースではボタンを押せないので改良を行い、のちに人の転倒を角度だけで感知する倒れセンサを搭載したモデルを開発しています。 最初に開発したボタンを押すタイプのモデルは、あまり売れませんでしたが、倒れセンサを搭載したモデルは、当社の経営を支えるヒット製品になりました。その後、他社も同様な製品を市場に投入するようになり、当社としても諸事情から現在はそれほど力を入れていない状況です。 ただ、この製品で培った無線技術は、次に開発したワイヤレス自動音声呼び出しシステム『チョットきてコール』に活かされています(写真1)。この製品は、ホームセンターやドラッグストアなどでお客様が店員さんを素早く呼び出すためのシステムになりま株式会社 トゥーワン セキュリティー関連分野を中心にファブレスメーカーとして事業を展開する株式会社 トゥーワン。様々な現場の声に耳を傾けながらオリジナル製品を開発し、最近では医療関連分野にも参入を果たした同社の概要、製品開発への取り組みなどについて、代表取締役 堀尾 順一 氏にお話しを伺った。写真1 ワイヤレス自動音声呼び出しシステム『チョットきてコール』写真2 大量盗難防止システム『減るとコール』写真3 防犯電子ミラー『ミテマス』