ブックタイトルメカトロニクス7月号2020年

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概要

メカトロニクス7月号2020年

MECHATRONICS 2020.7 47な学問の対象の一つとして認知されたのは1983年頃からであると指摘されている。ロボット生産金額が2,000億円を突破し、“ロボット学会”も設立されたのが1983 年であるという理由からである。5) さて、ロボットの小史を紹介すると表1 のようになり、1920 年の戯曲から登場し、1950 年にはSF小説でも紹介されるようになり、以降、色々と発展していくことになる。当初は産業用途で使用されたが、その後、医療機関や介護施設用に「お世話ロボ」や「介護ロボ」などが登場した。生活支援ロボットとして、「留守番ロボット」、「クリーナーロボット(掃除ロボット)」なども出現した。掃除ロボットは米国の宇宙技術が転用されて実現した。 高齢者や家族などを物理的に支援するロボット6)、あるいは老人を相手にするペットロボットとして「癒しロボット」などが日本の介護施設のみならず海外の介護施設で利用されるようになった(写真1、2)。 家庭には掃除ロボットを筆頭に様々なエンターテインメントロボットが入り込んで益々、身近になってきた。 日本でロボットが普及したのは、産業用ロボットが急速な経済成長を遂げる日本の労働力不足の解消と生産の効率化に大きく貢献したことによるものである。そして、我が国は「ロボット大国」と呼ばれるようになった。 人口減少社会の日本では、乗り切るために筋力の衰えた老人や身体障害者の社会参加をロボットスーツで可能にするため、今後期待されている。 以上、ロボットの発展状況と市場動向を理解して頂ければ幸いである。<参考資料>1)村田 晋、 “安川電機歴史物語 第六章 メカトロニクスへの道”  Yasukawa News No.277 p8(2006)2)武井 豊、 “「鉄腕アトム」が実装機を普及させた?”  エレクトロニクス実装技術 Vol.13 No.9 p69 (1997)3)https://ifr.org/ifr-press-releases/news/ robot-investment-reaches-record-16.5- billion-usd4)https://www.jara.jp/data/dl/yeartable.pdf5)中野栄二、“ ロボット工学の歴史と展望” 日本ロボット学会誌 Vol.8 No.1 p60(1990)6)Neil Tyler、“Human Robot Interaction”  newelectronics Vol.51 No.22 p14(2019) https://www.newelectronics.co.uk/ newelectronics-digital-magazine/14676表1 ロボットの小史写真2 癒しロボット(パロ/産総研)写真1 支援ロボット年 度ロボットの歩み1920年チェコ、作家カレル・チャペックが戯曲「R.U.R.」を出版し、造語「ロボット」を広める1927年米国、ウェスティングハウス社がロボット第1 号「テレボックス」を発表1950年米国、作家アイザック・アシモフが SF 小説「われはロボット」で「ロボットは人間に危害を加えてならない」で始まる「ロボット工学三原則」を提示1951年日本、手塚治虫が「アトム大使」の連載を開始(後の「鉄腕アトム」)1954 年 米国、Beorg C.Devolがプレイバック方式のProgrammed Article Transfer の特許取得1956年米国、ダーマスで開催された科学者の会議で「人工知能」という研究分野を提唱1958 年米国、コンソリディティーテッド・コントロール(CC)社、デジタル制御におけるAutomatic Programmed Apparatus のプロトタイプ発表日本、安川電機が世界初のDCサーボモータを開発1960 年代 産業用ロボットが実用化1960 年 米国、ユニメーション社、プレイバックロボットを実用化1962 年米国、ユニメーション社、プレイバックロボットを販売開始米国、AMF 社、プレイバックロボット販売開始1963年日本、手塚治虫のアニメ「鉄腕アトム」第1 話放送1967年日本、ロボットが輸入される1968年日本、技術導入による国産化開始米国、スタンリー・キューブリック監督の映画「2001 年宇宙の旅」で人工知能を搭載したHAL9000が登場1969 年 日本、「顧客の機械装置と安川電機の電機品と融合し、より高い機能を発揮できるように」との考え方で安川電機が世界に先駆けて「メカニクス」の言葉を提唱1970 年米国、産業用ロボットシンポジュウム(後のISSR)を開催日本、日本初の人工知能ロボットが完成・公開される1971 年 日本、任意団体「産業用ロボット懇談会」を設立1972年日本、安川電機がロボットの開発を開始する日本、日本産業用ロボット工業会設立1973年日本、日本産業用ロボット工業会を法人化日本、早稲田大学、ヒューマンノイド型二足歩行の「WABOT-1」世界で初めて開発スウェーデン、アセア社電動多関節ロボット開発1974 年日本、第4 回国際産業用ロボットシンポジュウム(ISR)、日本で初めて開催日本、第1 回 国際ロボット展を晴海で開催日本、安川電機が「MOTOMAN」対外発表1 号機を国際ロボット展に出展1977 年 日本、安川電機が電動式産業用ティーチングプレイバックロボット(MOTOMAN-L10)を開発し、ヨロズ中津工場に納入1978年日本、山梨大学・牧野グループ、スカラ型組立ロボットの開発1980 年 日本、本格的ロボット普及の始まり「ロボット元年」1983年日本、日本ロボット学会設立日本、通産省の予算額200 億円の国家プロジェクト「極限作業ロボット」研究開始日本、ロボットの生産額が2,000 億円を突破日日本、国際先端ロボット技術会議(ICAR)の第1 回を日本で開催1984年日本、極限作業ロボット研究組合設立米国、第1 回 国際建設極限作業ロボットシンポジウムが米国で開催1985年日本、国際ロボット・FA 技術センター(現製造科学技術センター)設立1987年ドイツ、国際ロボット連盟(IFR)設立米国、科学者マービン・ミンスキーが「心の社会」を発表。心とはそれ自体心を持たない「エージェント」による協調と主張1991年日本、通産省「マイクロマシン技術」研究開始1992年日本、マイクロマシンセンター設立1993年日本、セイコーエプソン、世界最小のロボット「ムッシュ」を発売1990年代半ば大量のデータから傾向や規則を見つけ出すデータマイニング技術が発展1996 年日本、ホンダが世界初の自立型二足歩行ロボット「P2」を発表日本、国内初の地雷除去ロボットの研究スタート1997 年米国、IBM のコンピューター「ディープブルー」がチェスで世界王者に勝利日本、第1 回 ロボカップ世界大会を愛知で開催1998 年日本、経済産業省「人間協調・共存型ロボットシステム」の研究開始1999 年日本、ソニーが初代AIBOを発売(→ 2006 年に生産中止)2000 年日本、ホンダが「ASIMO」(P3)(身長120cm)を発表(11月)日本、ソニーが二足歩行の「SDR-3X」発表日本、ロボット展覧会「ロボテックス」初の開催2001 年米国、2 輪の立ち乗り型ロボット「セグウェイ」を発売米国、軍事用無人機の使用が本格化2002 年日本/韓国、第6 回ロボカップ世界大会でヒューマノイドリーグ開催日本、経済産業省「ロボット用基盤ソフトウェア(ロボット用ミドルウェア)開発」開始(3年間)日本、ホンダが新型「ASIMO」発表、認識技術を強化米国、iRobot が掃除用ロボット「ルンバ」を発売日本、日本警備保障が屋内用警備ロボット「ガードロボC4」を販売開始(昼はインフォーメーション、夜はガードマン)2003 年日本、作品中の設定の「鉄腕アトム」が誕生日本、ソニーが「SDR-4XⅡ」を発表、10月より「QRIO」として活動日本、経済産業省「ロボット用要素部品開発」開始(3 年間)日本、安川電機が、産業用多関節ロボット「MOTOMAN」で世界一の累積出荷台数10万台を達成2005 年日本、サービスロボット元年(ロボット情報家電の始まり)日本、日本警備保障が屋外向け警備ロボット「ガードロボ i」を開発(愛知万博の会場案内として使用)2006 年日本、日本警備保障が「リボーグQ」発表2009 年日本、NEDO 生活支援ロボット実用化プロジェクト(2009~2013 年)2011 年日本、ホンダが「ASIMO」に世界初の自律行動制御技術を新たに搭載2013 年日本、茨城県つくば市が国内で唯一、セグウェイが公道を走ることができる特区指定となる日本、将棋で現役のプロ棋士が初めてコンピューターソフトに敗れる日本、ロボット介護機器開発・導入促進実証事業(2013~2017 年)日本、CYBERDYNE、ロボットスーツ HAL 福祉用がパーソナルケアロボット(生活支援ロボット)の安全性がISO/DIS1482-2011を世界で初めてJQAが認証した2014 年日本、ロボット介護機器導入実証事業日本、オバマ大統領が日本科学未来館に訪問した際、ホンダのアシモが出迎えた日本、ISO13482-2014でパナソニック「リショーネ」、ダイフク「エリア管理システム」を認証日本、世界初の感情認識パーソナルロボット、世界で初めて量産されたヒト型ロボット“Pepper”を発表日本、安倍晋三首相がOECD 閣僚理事会で、新たな産業革命を起こす「ロボット革命宣言」を発表日本、首相官邸に「ロボット革命実現会議」発足日本、ISO13482-2014でCYBERDYNE「HAL 作業支援用腰タイプ」、CYBERDYNE「HAL 介護支援用腰タイプ」を認証2015 年日本、ソフトバンク、人型ロボット「ペッパー」を開発者向けに限定300 台を先行販売日本、「ロボット新戦略」をロボット革命実現会議で策定日本、日本経済再生本部がロボット新戦略を決定日本、ロボット革命イニシアティブ協議会の創立を宣言日本、ロボット革命イニシアティブ協議会を創立総会日本、ISO13482-2015でRT ワークス「RT.1」を認証日本、ISO13482-2015で本田技研工業「歩行アシスト」を認証2017 年日本、第21 回 ロボカップ世界大会を愛知で開催