ブックタイトルメカトロニクス6月号2020年

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概要

メカトロニクス6月号2020年

8 MECHATRONICS 2020.6高い動作性能とコストパフォーマンスを両立させたスカラロボットシリーズに煩雑な手作業を省いて検査時間を半分にする高可搬機種2モデルを追加「新型コロナウイルス検出試薬キット」を発売 ヤマハ発動機(株)は、高い動作性能とコストパフォーマンスを両立させたスカラロボット『YK-XEシリーズ』に、アーム長610mm の『YK610XE-10』と710mm の『YK710XE-10』の2モデルを追加した。 両機種ともに最大可搬質量は10kgで、標準サイクルタイムは0.39sec(YK610XE-10)、0.42sec(YK710XE-10)と高性能を誇り、生産性向上に寄与する。 今回の2モデルの追加により、同シリーズは昨年発売された『YK400XE-4』(アーム長400mm)と合わせ3モデルとなる。これにより、スマートフォンやPCなどの小型部品だけでなく、家電や自動車などの大型部品の組み立て、搬送、仕分けなどの用途の幅が広がる。 同社のスカラロボットは、1976 年に自社工場に導入し (株)島津製作所は、2020 年4月20日にかねてより開発を進めていた「新型コロナウイルス検出試薬キット」を発売した。当面は、国内のみの販売となる予定だが、5月以降の海外輸出も視野に入れて準備を進めている。 同製品には、必要な試薬がすべて含まれており、すぐにPCR検査が実施できる。試薬および試料の調製、前処理(加熱)、反応、検出という全工程を約1時間で完了。煩雑なRNA抽出作業が不要で、試料は処理液と混合し加熱するだけのため、人手を低減でき、かつ人為的なミスが防止できる。96 検体用PCR 装置を使って、96 検体を検査した場合でも1時間半以内(処理液の混合に15分、加熱処理に5 分、PCRに65 分で計85 分)で行える。また、誤操作などにより、陽性にもかかわらず遺伝子増幅が起きなかった場合に誤って陰性と判断しないよう、同製品の反て以来、40 年を超える歴史がある。以降、製品の拡充を進め、現在では豊富な製品群をラインアップしている。より充実したバリエーションの中から最適な機種を選択できることで、ユーザーの生産設備の最適化と設備投資の低コスト化に貢献する。 同社では、両機種とも2020年4月16日より発売しており、2 機種合計で2,000 台の販売を計画している。応液には、増幅工程が正しく進んだことを確認するための参照成分が添加されている。これにより、偽陰性が生じる可能性を低減し、検査結果の精度向上が期待できる。 同製品は研究用試薬で、医薬品医療機器法に基づく体外診断用医薬品としての承認/認証等は受けていない。ただし、国立感染症研究所が定めた評価方法で性能を検証し、保険適用の対象となる「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査法について」(2020年4月9日版)に記載されている。評価における陽性一致率、陰性一致率は、いずれも100 %という結果が出ている。 同社では、月間生産10万検体分を予定している。また、同製品を使用するには、PCR装置や分注ピペット、恒温槽、小型遠心機をはじめとする機材や、試料/遺伝子の取り扱い技術を要するため、ドラッグストアなどの小売店や個人への販売は予定していない。2020.6請求番号F5002請求番号F5001請求番号F0004