ブックタイトルメカトロニクス4月2020年

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概要

メカトロニクス4月2020年

8 MECHATRONICS 2020.4自動運転やADASに必要とされる多様な音声の出力に最適な航空機などの製造/整備向け検査装置の第1弾として2.8W大出力スピーカアンプを開発超音波光探傷装置を発売 ローム(株)は、自動運転やADAS機能搭載車に採用される車載メータクラスターパネル(以下、車載クラスター)に向けて、車載信頼性規格AEC-Q100 準拠の2.8W出力AB 級モノラルスピーカアンプ『BD783xxEFJ-M』(BD78306EFJ-M /BD78310EFJ-M /BD78326EFJ-M)を開発した。 同製品は、ウィンカー音や警告音だけでなく、ウェルカムサウンド、音声サポートなど、多様な音を大音量で出力したい車載クラスター向けに開発されたスピーカアンプ。新方式の過電流保護回路を採用したことで、従来両立が困難だった出力短絡(不慮の端子接触による破壊)からの保護と、2.8W 大出力を実現。また、車載信頼性規格AEC-Q100に準拠し、最大動作温度105 ℃まで対応しているため、厳しい条件においても機能を損なうことなく (株)島津製作所は、航空機などの製造/整備に向けた検査装置の第1弾として超音波光探傷装置『MIV-500』を発売した。 同製品は、超音波が伝搬する様子を撮像するという同社独自の非破壊検査技術(超音波光探傷)により、航空機の機体や部品など表面付近の異常を可視化/データ化する。塗装や塗膜の除去作業を必要とせず「検査作業の効率化」を図るとともに、目視や打音といった検査員の技能に頼った工程に「最新技術による理化学検査」や「整備記録のデジタル管理」という新たな価値を提案する。 「超音波光探傷」とは、超音波と光を利用した非破壊検査技術で、検査対象物体の表面に超音波を伝わらせ、振動によって発生した表面のわずかな変化をレーザ照明およびカメラで検知する。亀裂や剥離、空洞などの内部欠陥が音声を出力することが可能。さらに、過電流保護に加えて温度保護、減電圧保護も搭載しており、異常状態から確実に保護できる高い信頼性を実現。 近年、自動車分野では、自動運転やADASを始めとする技術革新により、車線逸脱時や周囲障害物検知時の警告音、エンジンスタート時のウェルカムサウンド、音声サポートなど、車室内で必要とされる音が多様化している。それに伴い、車載クラスターで音を出力する部品も、ウィンカー音を発生するリレーや警告音を出力する電子ブザーに代わり、マイコンを通じて多様な音を出力できるスピーカアンプが採用されるようになったが、安全/安定に大音量を出力できないという課題があった。 同社では、2019年8月よりサンプル出荷を行っており、2020年3月から当面月産2万個の体制で量産を開始す存在すると、超音波の伝搬の乱れとなって検出される。従来からある「超音波探傷」は、対象物体の深さ方向に沿って欠陥を検知するのに対し、同社独自技術「超音波光探傷」は、目視やカメラ撮影と同様の視野で欠陥を観察できるため、欠陥の位置や形状の確認に優れている。 同社では、これまで航空機向けに空気調和装置や飛行制御装置、コックピット用ディスプレイ装置といった装備品を製造してきたが、今回発売された同製品は、こうした航空機分野での知見を活かしつつ、同社が得意とする分析計測分野の最新技術を用いて完成した。 近年の航空機数の増加に伴い、世界各地で運航を支える整備人員の不足が起きつつあるが、同製品を皮切りに、同社は航空機用部品メーカーや整備会社での省人化と品質向上に資する製品を開発/販売していく予定。る予定。2020.4請求番号D5002請求番号D5001請求番号D0004