ブックタイトルメカトロニクス4月2020年

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概要

メカトロニクス4月2020年

MECHATRONICS 2020.4 11工場をリアルにつくるというのは当然なんですけども、バーチャル空間にも工場をつくって俗にいう“デジタルツイン”を実現することにより、「人手に頼らない安定生産」、「段取レスでマスカスタム生産と量産」、「製品開発の投入スピードのアップ」、「高品質/短納期/低コスト」、「創エネと省エネ」などを実現させることで、製品だったり会社の価値を上げていく工場をつくり出すコンソーシアムになります。 コンソーシアムの全体像としては、“ 幹事企業”、“ 公式パートナー”、“ 公的機関” の3つの大きなカテゴリーから構成されています(図2)。 “ 幹事企業”とは、コア部分の技術を有してこの活動の主体となる企業になります。この中で、FAプロダクツ社は「企画/プロデュース」を担当し、オフィス エフエイ・コム社は「開発/エンジニアリング」を担当し、当社は「ネットワーク/セキュリティ」を担当しています。その他に、「構想設計」を担当するロボコム株式会社(以下、ロボコム社)、「加工/組み立て」を担当する日本サポートシステム株式会社(以下、日本サポートシステム社)、「加工/量産」を担当するロボコム・アンド・エフエイコム株式会社(以下、ロボコム・アンド・エフエイコム社)の計6 社で構成されています。 また、“ 幹事企業”だけではどうしても賄えきれない部分が発生しますが、例えば「コンサル」、「ITシステム」、「建物建設」、「保守」、「人材派遣」などは、サポートしていただける企業に“ 公式パートナー”として参画いただき、全体でソリューションとして提供する形になっています。 さらに、我々民間企業だけでもできないことはないのですが、やはり国の政策や地方自治体の政策と連動する方がスムーズに進められるケースが多いので、『Team Cross FA』の理念に賛同していただける色々な“公的機関”と連携してプロジェクトを進めていきます。 基本的な流れとしては、最初にFAプロダクツ社が窓口業務を行い、お客様の要望や予算などを聞いて全体のプロデュースを行います。次にロボコム社で、自動化やロボット化の構想設計を行い、さらに精密なプランに落とし込んでいきます。それに基づいて次はオフィス エフエイ・コム社で、上位側のシステムやさらに詳細な設計、それから物流のシステムなども含めてプランニングを行います。そして、日本サポートシステム社で実際の形にしていき、オフィスエフエイ・コム社と一部協業するケースもあります。 このような流れで進んでいき、システム全体が現場と上位側の方で繋がっていくとセキュリティも当然必要になりますが、後から入れるのではなく、計画立てている段階で機器やシステムに関してネットワークの要件が出てくるので、そこで当社がネットワークのグランドデザイン構築からトータルセキュリティソリューションを担当していく形になります。 また、「加工/量産」を担当するロボコム・アンド・エフエイコム社は、今年の年末に設立される予定のロボコム社とオフィス エフエイ・コム社の合弁会社になります。主に、大型の精密金属加工やロボットのシステムをパッケージ化して量産化する予定で、現在新工場を福島県南相馬市の復興工業団地に建設中です。 そして、このコンソーシアムの大きな特徴としては、“幹事企業”の中にメーカーが1社も入っておらずマルチベンダーのみなので、メーカー色を出さずにその時々で最適なものを組み合わせて提供できることです。あとは一気通貫で行えるので、お客様にとっても楽であると考えています。 設立してまだ1 年も経っていませんが、すでにいくつかのプロジェクトが進行している状況です。 御社が連携されるタイミングについて と、提供されるサービスの具体的な内 容などについてお聞かせください八子 : 先程ご説明した流れの中で、我々は構想設計の段階とプランニングの段階でサービスを提供していきます。それは、「工場全体をどうやってセキュアな状態に担保するのか」、もしくは「現場レベルの制御セキュリティを担保する部分」と「ネットワーク部分で担保する部分」は、結局全体のアーキテクチャを決めていかなくてはならないので、必然的に我々が構想設計の段階から入っていく理由になっています。 そして、「どこにどのようなデバイスを配置するのか」、「制御ネットワークをどうするのか」、「それをどのような形でモニタリングして運用するのか」というグランドデザインを設計し、最終的にシミュレーションを一通り行ったあとで、ネットワークベンダーに入ってもらい敷設をしていただく形になります。当然、デバイスにも対応しなくてはなりませんし、場合によっては我々が外部から継続的にモニタリングしていくソリューションなども提供していきます。現状では、まだ構想設計の段階から連携する事例がほとんどですが、すでにリアルファクトリーがスタートしているFAプロダクツ社や『Team Cross FA』のそれぞれのお客様において、セキュリティ対策がまだ十分でないと懸念されている所には、我々が対応させていただくことも考えています。 また、これらのサービスをすべて我々だけで対応していこうとは考えておらず、リソース自体はFAプロダクツ社やオフィス エフエイ・コム社と協業していく形になっていますし、私のバックグラウンドであるビジネスコンサルタントに関連した企業からも、当社を設立してすぐに協業の申し入れを立て続けにいただいています。私だけでなく、当社の取締役でもある飯野社長や天野会長も、色々と業界にはリレーションがあるので、場合によってはそういった外部のリソースを活用しながら、トータルで対策を施していければと考えています。 近日中には、連携していただけるパートナー企業を発表させていただく予定です。 今後の展開についてお聞かせください八子 : スマートファクトリーの構築を一貫して提案する『Team Cross FA』の中で、必要なセキュリティをトータルで提案/導入していくことが、我々に課せられた主たるミッションになります。その位置づけをお客様に分かっていただくと同時に、今までそれほど重要とされていなかった制御/セキュリティの重要性を理解していただく活動に力を入れていきます。 その中で、お客様からの信頼を積み重ねていき、『Team Cross FA』が抱えている既存のお客様とこれから利用される新たなお客様に対して、トータルセキュリティの安心/安全性をもってして“デジタルツイン” の環境をつくっていくことが大きな目標になります。当然ながら当社だけではできませんし、『Team Cross FA』のメンバーだけでもできませんので、パートナー企業とも連携して推進していければと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。所在地 :U R L :事業内容 :東京都港区https://industrial-xs.jpインダストリアルな領域に関するネットワークとセキュリティのコンサルティング、ネットワーク/セキュリティのグランドデザインおよび構築、セキュリティソリューションの開発/販売代理/導入支援、投資業務、人材開発/教育事業。株式会社 INDUSTRIAL-X SECURITY・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・図2 『Team Cross FA』の全体像