ブックタイトルメカトロニクス2月号2020年

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概要

メカトロニクス2月号2020年

8 MECHATRONICS 2020.2色味検査の自動化を実現する複数台/複数タイプの自律移動ロボットを集中的に制御可能な小型/軽量の分光カメラを開発ソフトウエアを発表 セイコーエプソン(株)は、各種製造ラインに組み込める小型で軽量な分光カメラを開発した。 同製品は、①RGBカメラと同程度の小型/軽量サイズで製造ラインに設置可能、②面で計測する面分光により、指定エリアを一括計測し色ごとに識別可能、③分光機能に加え、製造ラインで必要とされる画像処理機能も利用可能、などの特徴が挙げられる。 製造業では、一般的な製造工程で発生するロットごとの色味の違いを一定程度に抑え、製品品質を確保するために「色のばらつき検査」、「表面コーティングの確認検査」をすることがある。これらの検査において、現在普及しているRGBカメラでは詳細な色情報の取得ができず、微妙な色の違いを判別できない場合がある。そのため、人の感覚に頼った目視での確認検査が主流だが、目視検査でも NECは、複数台/複数タイプの無人搬送車(AutomatedGuided Vehicle、以下AGV)などの自律移動ロボットを集中的に管理/制御可能な自律移動ロボット管制ソフトウエア『NEC マルチロボットコントローラ』を発表した。 同製品は、これまで現場で運用されてきた一方通行や一時停止などのルールを設定することで、現場のルールに適応した最適な走行経路を生成。突発的な業務要求や障害発生に対応して、リアルタイムに経路を更新し、自律移動ロボットの移動コストが最小となる走行経路を自動で算出する。また、倉庫管理システム(WMS)や製造実行システム(MES)など、既存の業務システムと連携することで、これらのシステムからの要求に応じて自律移動ロボットを制御。集中制御下の自律移動ロボットから収集した情報を基に、複数の自律移動ロボット同士が干渉しない走行を実現作業者ごとのばらつき、検査ミスの発生により不良品を市場流出させるリスクがある。また、従来の分光カメラは大型/高価で、さらにラインセンサ方式の場合はスキャンした後に画像を合成する場合もあるなど、色味の管理には手間とコストがかかることから、産業界の多くのユーザーが“ 色味の管理”に関する課題を抱えている。 今回開発された製品は、ユーザーの色味の管理に関する工程に対し、3つの価値「自動化により検査を定量化できる」、「製造ラインの中に組み込める」、「合成の手間無く画像を出力できる」を提供する。これらにより、ものづくりに取り組むユーザーは、従来よりも手軽に製造工程における色味の管理を行うことが可能となる。 同社では、第一弾として2020 年度中に、可視光領域を対象にした分光カメラを市場投入する予定。する。さらに、現場で利用される無線通信を安定化する技術や、現場に配備するデバイスやロボットなどの乗っ取り/なりすましを防ぐ同社製IoTセキュリティ製品と本製品を組み合わせることにより、システム全体に高い堅牢性を提供し、ユーザーの現場革新へ貢献する。 近年、工場や倉庫などの省力/省人化のため、AGVなどの自律移動ロボットの導入が進んでいるが、人やモノが煩雑に動き回りレイアウトが動的に変化する現場や、物流量の変動により時々刻々と業務状況が変化する現場に、柔軟に対応することが難しく、期待する効果が得られないという課題があった。また、業務内容に合わせて複数台/複数タイプの自律移動ロボットを運用するためには、煩雑な管理が必要という課題もあった。 同社では、2020年2月から販売を開始し、製造/物流業などを中心に、今後3年間で工場/倉庫/物流施設など300 拠点に導入することを見込んでいる。2020.2請求番号B5002請求番号B5001請求番号B0004