ブックタイトルメカトロニクス4月号2016年

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概要

メカトロニクス4月号2016年

MECHATRONICS 2016.4 11所在地:U R L:事業内容:横浜市瀬谷区http://www.fukuhara-net.co.jp電磁式ドレン自動排水機、エアコンプレッサ専用ドレン油水分離装置、除菌フィルタなどの省エネ・環境関連製品の開発/製造/販売。株式会社フクハラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・混入したドレン(凝縮水)、飽和水蒸気、浮遊物(オイルミスト、塵埃)などが発生します。これらのものが混入して汚れたドレンは、こまめに機外に排出することにより、コンプレッサの寿命を延ばすのはもちろん、モータの焼損、ヒューズ切れ、ブレーカOFFなどの事故を減らせるといった大きなメリットを生みます。 当社のドレントラップは、フロート式ではなく電磁式を採用しているのが特徴で、フロート式と比較して長期間確実に作動することで高信頼性を実現し、省エネ/省力に貢献します。また、単にドレンを抜くだけではなく、コンプレッサは軽負荷でスタートし、コンプレッサ、空圧機器の寿命を延ばせます(シングルトラップ、ダブルトラップ)。さらに、標準付属の取り付け部品で、現在使用中のコンプレッサに簡単に取り付けることができるといった特徴をもっています。 次に、エアコンプレッサ専用ドレン油水分離装置『ドレンデストロイヤー』を紹介します(写真2)。コンプレッサにより生み出された圧縮空気とドレンは、コンプレッサの潤滑油として用いられるオイルや、大気と一緒にコンプレッサに取り込まれてしまった塵埃、コンプレッサ内部の鉄錆といった様々な不純物を含んでいます。このうち、ドレンに混入するオイルは、浮上油/分散油/乳化水(エマルジョン水)に分類でき、油分濃度が5ppmより大きくなるため、水質汚濁防止法によりそのままでは河川や下水に排出することができないように定められています。 当社のドレンデストロイヤーは、特殊フィルタを使用することにより、ドレンの油分が変動しても確実にドレンを5ppm 以下に処理することができる製品です。スラッジの発生もないため、人手がまったく掛からず、これまで産業廃棄物処理業者に依頼していたドレン処理を自家処理することが可能になるので、経費節減に大きく貢献できます。また、当社独自に開発した、ポンプや電気機器を使用しない非常にシンプルな構造の無電源タイプもラインアップしています。 最後に、除菌フィルタを紹介します。大気中には細菌が存在しますが、コンプレッサによって生み出される圧縮空気にも細菌は存在するのではないかという疑問から、当社は1983 年に横浜市衛生研究所と神奈川県衛生研究所の協力を得て、細菌の存在調査を行いました。その調査結果から、圧縮空気中に一般細菌/カビ/酵母が検出され、細菌数はコンプレッサの設置場所によって異なることも判明しました。それにより、除菌フィルタの開発にも力を入れています。 当社の除菌フィルタには、『小型フィルタ』と『AIRXフィルタ』の2つのタイプがあります(写真3、4)。違いは使用圧力の範囲で、各フィルタは使用用途や処理空気量に合わせえてラインアップを揃えており、中のエレメントを入れ替えることによって、別のフィルタにもなるように開発しています。 今紹介した3本柱の主力製品は、当社独自の技術により様々な特許を取得していますが、その技術などが評価され、各方面で表彰されています。昨年の11月には、省エネ効果が認められ「中小企業庁長官奨励賞」を受賞した製品もあります。また、3本柱の主力製品以外にも、環境に関連する様々な製品を開発しています。 昨年「中小企業庁長官奨励賞」を 受賞した製品についてお聞かせ下さい福原:その製品は、除菌フィルタの中に属しているもので、圧縮空気で発生した水や水滴を竜巻遠心カートリッジにより、効率よく強制的に分離してドレントラップで排出する圧縮空気用竜巻遠心分離器『スーパーサイクロンセパレータ』です(写真5)。特徴としては、①圧縮空気の水/水分、油/油滴などの分離効率が高い、②簡単な構造、③目詰まりがなく、圧力降下が小さい(0.5kPa 以下)、④カートリッジ交換不要、⑤電源不要、⑥マグトラップ外付け型かフロート式ドレントラップ内蔵型を装備することで、確実なドレン排出を実現、⑦ドレン排出状況が分かるレベルゲージ付き、⑧広いレンジに対応(3/8~3インチ)、⑨フィルタ寿命がアップ、などが挙げられます。 また今回の受賞は、この製品そのものが評価されたわけではなく、この製品を設置する位置がポイントになっています。それは、エアコンプレッサと冷凍式エアドライヤの所定中間個所と、冷凍式エアドライヤとエアフィルタの所定中間個所にそれぞれ設置する構造の採用です。それにより、冷凍式エアドライヤの熱交換器における負荷が低減されることと、エアフィルタの圧力損失が低減できます。この効果が相まって、電力費の削減につながるということが評価され、受賞しています(写真6)。 この製品は、今回受賞した設置構造以外にも様々な設置方法により、省エネ効果をもたらす可能性を秘めています。 今後の展開についてお聞かせ下さい福原:まずは、除菌フィルタの事業に力を入れていきます。それは、歯科医院などで使用されるハンドピース用の製品になります。歯科治療では、圧縮空気を利用してハンドピースで歯を削ったり、歯の汚れを除去していますが、ハンドピースの切削部には汚染物質が多量に付着していると思われます。それにより、院内感染対策としてハンドピースの滅菌処理が必須になっています。 当社では、すでに細菌/微粒子を除去する除菌フィルタを開発していましたが、今回ハンドピース用に改良した『除菌フィルタ LRV≧8(MDGd350A-2)』を新たに開発しました(写真7)。この製品により、圧縮空気中の細菌などを除去し、ハンドピースにクリーンなエアを送ることができます。今後は、ハンドピースを使用される歯科医院などに、この製品を提案していきたいと考えています。 また、ドレン自動排水機についても大型のコンプレッサに対応する製品に力を入れていきます。最近では昨年の10 月に、150 ~610kW のエアコンプレッサに対応した省エネ型ドレントラップ『スーパードレックス610』を発売しています(写真8)。この製品は、100秒間ごとに1 秒間、弁が開きドレンをセンサ部に呼び込み、センサがドレンを検出した時には4 秒間(固定)、合計5 秒間ドレンを排出する当社独自のドレン呼び込み機能を搭載しています。センサでドレンの有無を感知するので、サイクル時間や排出時間設定は一切不要となり使い易くなっています。さらに、弁座の排出口がφ6と大きいため、目詰まりで排出不能になることはほとんどなく、ストレーナが不要といった特徴をもっています。 今後も、3 本柱の主力製品が中心となっていきますが、産業分野だけでなく、環境をテーマに当社の技術が活かせる様々な分野に事業展開していきたいと考えています。 本日はお忙しい中ありがとうございました。写真5 圧縮空気用竜巻遠心分離器『スーパーサイクロンセパレータ』写真7 『除菌フィルタ LRV≧8(MDGd350A-2)』写真6 「中小企業庁長官奨励賞」の受賞内容と盾写真8 省エネ型ドレントラップ『スーパードレックス610』