ブックタイトルメカトロニクス9月号2015年

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概要

メカトロニクス9月号2015年

MECHATRONICS 2015.9 13所 在 地:U R L:事業内容:大阪市城東区http://www.goldendance.co.jp骨伝導製品の企画/開発/製造、骨伝導通信機器・補聴器企画/製造および販売、骨伝導振動子の開発/製造/販売ゴールデンダンス株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・験はないでしょうか。テープなどに記録される声は、実は気導音だけで、これに対して普段自分で聞く自分の声は、気導音と骨導音が混じったものになります。かたや気導音、かたや気導音+骨導音ということで、違った音として聞こえているのです。 骨伝導とは骨導音を聞く技術で、こめかみの部分などに装置を装着し、その装置が骨に振動を伝えることで、音を聞くことができます。その音は自分だけに聞こえるのが特徴で、また耳で聞く音とはまったく別の音なので、「耳栓をしながら聞く」ことや、「同時に耳から入る音も聞く」ことが可能です。 骨伝導の安全性を心配する声をよく頂きますが、骨伝導が人体に害を与えることはありません。また、頭蓋骨に振動を伝えることから、骨や脳に悪い影響を与えるのではと心配させる声もありますが、そういうこともありません。骨導音は自分の声を出すたびに発生している自然な音で、特別なものではないからです。電磁波についても問題はなく、ほかの電気製品と同じように電磁波は発生していますが、ごく微弱なもので自然界に存在する電磁波と同レベルです。 最近では、安全性の問題から工場などで85dB以上の騒音が出る場合は耳栓をしなくてはいけないなど規制も厳しくなってきていますが、そのような状況下で骨伝導は非常に有効になりますし、当社独自の骨伝導技術では同時に自分の声もマイクを通して他の人に送ることもできます。また、社会問題にもなりつつあるヘッドフォン難聴や高齢化による機能低下での難聴などにも有効だと思っています。 御社独自の骨伝導技術を活かした 製品についてお聞かせ下さい中谷:まずは、コンシューマ向けの製品から紹介します。骨伝導イヤホン『SOUND BONE』は、従来のイヤホンと比べて音漏れがほとんどしないのが特徴で、電車など公共の場での利用に適しています(写真3)。振動で音を聞くため、長時間聞いても疲れにくく、鼓膜への負担も軽減されます。イヤホン部は、耳穴に軽く引っ掛けるタイプなので、耳穴の小さい方でも装着しやすくなっています。骨伝導により、イヤホンユニットに空気穴がなく、防滴仕様で汗や水滴に強く、汚れても水拭きで清潔感を維持できます。 そして、「インターナショナルCES 2009イノベーションアワード」に入賞し、その後お客様の声によりリニューアルした骨伝導ヘッドホン『GoldendanceAQUA』は、耳を塞がずに音楽を聞き、 同時に鼓膜から環境音も聞こえるといった特徴をもつ製品になります(写真4)。振動を骨に伝えることで音を聞くため、鼓膜への負担が少なく、長時間の使用でも快適に使用できます。IPX7取得の防水タイプにより、丸洗いすることも可能です。人体工学に基いて設計された独特のフォルムと、可動式の振動子が抜群のフィット感を生み出し、眼鏡をかけていても上から挟んで装着できるため、ストレスなく使用できます。カラーは、上品で光沢のある福島県会津漆塗をイメージした赤色と黒色の2色を用意し、スポーツシーンや外出時の使用などに適しています。 それから、高性能骨伝導振動素子を使用したイヤホンと集音器をセットすることにより、補聴器の代わりとして使用できる『イヤーソニックイン』という製品も用意しています。この製品は、『SOUND BONE』と同様にイヤホン部が小さく、耳穴の入口付近に軽く引っかける感じで装着するので、耳穴の小さい方でも装着しやすくなっています。片耳タイプも用意し、利便性とデザイン性を追求しており、今まで補聴器に対して抵抗があった方などにも、おしゃれな感覚で使用して頂けるように改良を重ねています。 次に、産業向けの製品を紹介します。こちらは、西日本高速道路メンテナンス関西株式会社の依頼を受け共同で開発を行った、通信システムを利用した骨伝導通信アクセサリー『阿吽(あうん)シリーズ』が主力製品になっており、近畿経済産業局主催の「関西ものづくり新撰2014」にも選定された製品です。トランシーバに接続する骨伝導通信システム『阿吽H』は(写真6)、両耳を塞がず通信が可能なため、周囲の音(環境音)を聞きながら通信ができます。騒音下では、耳栓などを使用して耳の保護をしながら通信ができ、従来のヘッドセットのように肌に装着する煩わしさもありません。骨伝導マイクでの通話時には、話者の骨の振動のみを拾い受信者に伝えることができるので、周りの騒音に影響されず音声を送ることができます。ヘルメットの縁に簡単に脱着が可能で、既存のヘルメットで使用することができます(スライド式)。 また、高性能マイクと骨伝導通信システムのセット『阿吽M』(写真7)や、ヘルメットなしで使用できる高性能マイクと骨伝導イヤホンのセット『阿吽E』(写真8)もラインアップしており、危険を伴う作業現場での安全確保以外にも、飲食店などのサービス業でも利用することができ、様々なシーンに対応が可能です。 今後の展開についてお聞かせ下さい中谷:現在、さらに小型で軽量な振動子の開発なども進めており、そちらではBluetoothを使った通信システムでの利用も検討しています。それにより、事業の幅も広がっていくと思われますが、当社としては自社ブランドではなく、OEM /ODMでの供給を中心に進めていきたいと考えています。 今までは、当社の認知度を上げるために色々と自社製品に力を入れていましたが、今後は開発に重点をおき、コンシューマ向けから産業向け、そして大学などの研究機関と連携して医療向けの研究開発も行っていき、製品からデバイスまで様々な形で提供していけるような体制を整えていきます。こうした取り組みの中で、骨伝導を広く世間に知って頂き、安全で安心な社会づくりに貢献していければと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真4 骨伝導ヘッドホン『Goldendance AQUA』写真6 骨伝導通信システム『阿吽H』写真8 高性能マイクと骨伝導イヤホンのセット『阿吽E』写真3 骨伝導イヤホン『SOUND BONE』写真5 骨伝導イヤホン+集音器『イヤーソニックイン』写真7 高性能マイクと骨伝導通信システムのセット『阿吽M』