ブックタイトルメカトロニクス6月号2015年

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概要

メカトロニクス6月号2015年

MECHATRONICS 2015.6 43<図表3>家庭用殺虫剤の推計方法2)①【届出】:対象となる業種に含まれ、従業員、取扱量が一定規模以上の事業所からの排出量②【届出対象外】対象となる業種に含まれるが、従業員、取扱量が一定規模未満のため、届け出ていない事業所からの排出量③【非対象業種】届出の対象となる業種に該当しない事業所からの排出量④【家庭】家庭からの排出量⑤【自動車など】自動車など移動体からの排出量(2)基本となる集計表 PRTRデータは、事業者からの届出と国の推計に基づいた化学物質の排出量・移動量を表にして公表される。結果をわかりやすく示すために、表やグラフなどに加工してあるが、基本となるのは「化学物質の名称」とその「排出量」「排出先」についての単純な数値データである。なお、事業者の届出データには大気、公共用水域など排出先も記入されている。 届出データについては、対象化学物質別に、いくつの事業所から届出があったか、大気、公共用水域(河川や海など)、事業所敷地内の土壌のどこにどれだけ排出されたか、事業所敷地内にどれだけ埋立処分されたか、廃棄物として事業所の外へ運び出された量はどれくらいか、といった基礎的な情報が集計されている。 このような数値データをもとにして、全国的に排出量の多い物質は何か、業種別や地域別にどのような特徴があるか、といったさまざまな視点で整理、集計することができる。(3)PRTRデータでこんなことがわかる 物質別や排出先別、地域別などの項目ごとに集計されたPRTRデータからは、次のようなことがわかる。①全国の事業者が大気、公共用水域、事業所内の土壌への排出及び事業所内で埋立処分している対象化学物質とその量①全国の事業者が廃棄物として、あるいは下水道への放出によって事業所の外へ移動している対象化学物質とその量②全国の届出の対象とならない事業所や家庭、自動車などから排出される対象化学物質とその量③対象化学物質別の排出量・移動量④業種別の排出量・移動量⑤都道府県別の排出量・移動量 など PRTRデータは、事業者からの届出と国の推計に基づいた、化学物質別の排出先と排出量の情報である。そのデータを排出量の大きい順番に並べたり、排出先(大気・公共用水域・事業所内土壌・事業所内埋立)別に集計したり、地域別や業種別に区分してみることで、その化学物質の排出状況にどのような特徴があるのかを知ることができる。 しかし、データの加工のしかたによっては誤解を招くものもあり、読み手にも注意が必要である。例えば、グラフ化するとわかりやすいという印象を受けるが、つい排出量の大小にだけ関心が向き、量が少なくても有害性が大きい物質などを見落としがちである。排出量の大きさがそのまま環境や人の健康への影響となるわけではない。また、基になるデータそのものも届出や推計された数値であることから、データが絶対的な値を示しているとは限らない。(以下、次号に続く)(2015.4.12記)<参考資料>1)経済産業省・環境省:「(報道発表)平成25 年度PRTR データの概要等について-化学物質の排出量・移動量の集計結果等-(お知らせ)」(2015.3.6)2)環境省編集:「PRTR データを読み解くための市民ガイドブック ~ 平成24 年度集計結果から~化学物質による環境リスクを減らすために~」環境省環境保健部環境安全課(2015 年1 月)3)環境省環境保健部環境安全課:「化学物質ファクトシート2012 年版」環境省環境保健部環境安全課(2014 年12 月)http://www.env.go.jp/chemi/communication/factsheet.html以上(特定第一種指定化学物質については0.5トン以上)取り扱う事業所を有するなどの要件を満たす事業者又は特別要件施設(廃棄物処理施設や下水道終末処理施設など)を有する事業者 全国数百万の事業所(民営・公営含む)のうち、この条件をすべて満たす事業所はおよそ3万7千事業所ある。対象業種以外や、対象業種であっても従業員数や対象化学物質の取扱量が少ないなどの理由でPRTR制度の対象とならない事業所からの排出量は、家庭や自動車などからの排出量と同様に国が推計する。4.対象事業者が届け出るもの 対象事業者は、年に1度、前年度の事業所ごとの対象化学物質の排出量及び移動量を国へ届け出ることが義務づけられている。 排出量とは、生産工程などから排ガスや排水などに含まれて環境中に排出される第一種指定化学物質の量で、以下の①から④に分けられている。 移動量とは、廃棄物の処理を事業所の外で行うことなどにより移動する第一種指定化学物質の量のことで、以下の⑤と⑥に分けられている(図表1)。【排出量】①大気への排出 大気への排出量は、排気口や煙突からの排出ばかりではなく、ペンキなどの塗料に含まれる成分の揮発も排出と考える。②公共用水域への排出 公共用水域への排出量は、河川や湖沼、海などに排出した量をいう。③事業所における土壌への排出 タンクやパイプから土壌へ漏洩した量なども排出とみなす。④事業所における埋立処分 事業所で生じた対象化学物質を含む廃棄物を事業所内の埋立地に埋め立てる場合をいい、土壌への排出とは区別される。【移動量】⑤下水道7への移動下水道に流した量のことをいう。⑥事業所の外への移動 産業廃棄物処理業者に廃棄物の処理を委託した量。5.排出量・移動量の把握、届出 事業所では1年間の排出量や移動量を必ずしも実際に測定しているわけではなく、以下の5つの算出方法のいずれかを使って求めている。①事業所に入ってきた量と出ていった量の差を求める②排ガスや排水の濃度を実際に測定し、それに排ガス・排水量を乗じる③取扱量(事業所で取り扱った量)に排出係数(これくらいが環境中に出ていくとされる割合)を乗じる④排ガス・排水量に物性値(蒸気圧、溶解度など、含まれている化学物質の量を確定できる値)を乗じる⑤その他、的確に算出できると認められる方法6.対象事業者以外からの排出(国の推計)(1)国が推計する排出量 PRTR制度の届出の対象となった事業者だけが化学物質の排出源ではない。届出の対象とはならない事業者や自動車などの移動体、家庭等も排出源となっている。 これら対象事業者以外の排出源からの排出量は国が推計する。この結果は、事業者から届出された情報と併せて公表される。 推計の対象となるのは主に次のような排出源からの排出量である。①届出対象業種のうち従業員数が21人未満の事業者②届出対象業種のうち事業所ごとの年間取扱量が1トン未満(特定第一種指定化学物質は0.5トン未満)の化学物質③届出の対象となっていない業種:建設業、飲食業、農業等④家庭:塗料、防虫剤、除草剤、殺虫剤、洗浄剤などの使用に伴う排出⑤移動体:自動車、二輪車、船舶、鉄道車両、航空機等(2)その推計方法 届出以外の排出源からの排出量については、その排出源に応じたさまざまな推計方法注4)を用いて推計されるが、おおまかに<図表2>のような手順で推計されている。注4)推計方法の詳細は、環境省HP の「PRTR インフォメーション広場」の「PRTR届出外排出量の推計方法」http://www.env.go.jp/chemi/prtr/result/todokedegai_siryo.html を参照。(3)家庭用殺虫剤の具体的な推計例 「本ガイドブック」では、蚊、ハエ、ゴキブリ等の衛生害虫の駆除を目的とした家庭用殺虫剤の具体的な推計方法例が以下のように紹介されている(図表3)。①推計対象化学物質の設定 家庭用殺虫剤を製造する事業者に対して調査をしてわかった成分リストから、第一種指定化学物質に該当する物質について、家庭用殺虫剤としての排出量を推計する。②推計対象化学物質の使用量、出荷量の把握 家庭用殺虫剤を製造する事業者にアンケート調査を行い、対象化学物質ごとに集計して全国の使用量を把握する。③環境中に排出される量の推計 殺虫剤の使い方から環境中に排出される割合を設定して、環境中に排出される量を推計する。④都道府県別排出量の推計 都道府県別の夏日日数(衛生害虫の発生は25℃の気温が目安とされているため)と世帯数で補正して、各都道府県の排出量を推計する。(夏日係数×世帯数)■第Ⅲ部 PRTR データ1.PRTRデータの概要(1)PRTRデータの構成 PRTR データは、排出源別に次の5種類のデータで構成されている。