ブックタイトルメカトロニクス6月号2015年

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概要

メカトロニクス6月号2015年

MECHATRONICS 2015.6 13所 在 地:U R L:事業内容:愛知県知立市http://www.fuji.co.jp電子部品組立機(自動装着機)・工作機械の開発/製造/販売、など。富士機械製造株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・す。例えばカメラは、世に先駆けて25Mという非常に高画素の製品をすでに発表しています。 御社のコア技術を活かした現在の 主力製品についてお聞かせ下さい須原:先程少しご紹介したモジュラマウンタ『NXTシリーズ』では、昨年発売した『NXTⅢ』が最新機種になっています(写真1)。この製品は、新設計のXYロボット、高精度実装を可能にする新型高速ヘッド、そしてさらに進化した画像認識により、0201サイズ部品を始めとする極小部品実装において、出力35,000cph、実装精度±0.025mmでの実装を実現しています。新型高速ヘッドは、特別な工具も必要なくどなたでも簡単に取り替えが可能です(写真2)。また、どのようなヘッドが装着されても、同じように機能を発揮できるような仕組みになっています。そのため、最初の構想以外に後で追加されるヘッドについても対応でき、その他にも、カメラや供給装置の部分などにおいても、同じような仕組みを取り入れています。 そしてこの製品は、経済産業省および一般社団法人日本機械工業連合会の主催で、昨年行われた「第6 回ロボット大賞」において、大賞(経済産業大臣賞)を受賞しています。装着精度やスピードが上がったことだけでなく、『NXTシリーズ』として継承しているマウンタの内部に完全なモジュールのコンセプトを取り入れたことが受け入れられ、評価されたと思っています(写真3)。 また、当社は作業コストや作業ミスの問題を解消するため、近年自動化に力を入れており、モジュール型自動組立装置『SmartFAB』もその内の1 台になります(写真4)。この製品も、パーツ供給/ワーク搬送/組み立てヘッドなど、組み立て作業に必要な要素をモジュール化し、ユーザーニーズに合わせたユニットをベースとなる装置に接続するだけで、最適なライン構築を実現します。X・ Y・ Z軸の直行動作領域を超え、あらゆる方向からの組み立てを可能にするだけでなく、ツインヘッドの組み合わせや周辺ユニットにより、接着やねじ締めが必要な複合組み立て、熱圧着、曲面への実装、納入前後の処理など、これまで困難であった様々な手作業を自動化することができます。 その他にも、部材準備や部品補給などにおいても、誰でも簡単/確実にオペレータ作業を短時間に行える自動/省人化ツールを用意しています。例えばリールローダでは、フィーダへのテープセットを自動化することにより、段取り準備時間を大幅削減できます(写真5)。フィーダとリールをセットするだけで自動装填し、自動部品ベリファイにより部品掛け間違えを徹底排除します。そして、これらの自動/省人化ツールを上位のコンピュータと接続することで、単なる自動化だけでなく、部材準備や部品補給などの状況をトレースしたり、正しい作業が行われたかの確認をできるようにしています。 さらに、工作機械分野は昨年発表したモジュール型生産設備『DLFn』が主力製品になっていきます(写真6)。この製品もモジュール方式を採用しており、1台のベース上に2 台の機械モジュールを搭載し、規格化されたベース上でフレキシブルな生産工程を構築できます。そのため、当社従来比で半分以下のライン全長を実現します。また、コントローラには当社独自の制御装置である『UNICORN』を採用し、機械本体、搬送装置、周辺装置もすべて制御します(写真7)。各機械モジュールは、このコントローラにより操作性を統一し、快適な操作性を実現できます。 今後の展開についてお聞かせ下さい須原:電子部品組立機分野では、やはりマウンタが主力製品になっていきますが、市場的にそれほど大きく伸びるとは思っていませんので、前工程や後工程の分野にも裾野を広げていきたいと考えています。前工程では半導体実装になりますが、単なるダイボンダやフリップチップボンダといった製品ではなく、そこに色々な部品を搭載できたり、大きな基板を扱えるといったマウンタの機能を取り入れた製品の開発に力を入れていきます。また、後工程では自動化が遅れている状況なので、これに対応する機械の開発に力を入れていきます。 それから、先端実装に関する技術についても、取り組んでいかなくてはならないと考えています。最近では、0201という極小部品の話も出てきていますので、そういうチップ部品にも対応でき、常に業界のトップでありたいと思っています。いつどんな部品が出てきても、すぐに対応できるような体制は整えているつもりですし、それに対する色々な基礎研究も常に行っている状況です。こういう面も、当社の強みになっていると思います。 工作機械分野では、当社は自動車向けの専用機ということで少し限られた市場になっていますが、工作機械の市場はマウンタの市場と比べても遙かに大きな市場なので、より汎用性の高い製品の開発で市場を開拓していきたいと考えています。当社の得意としている分野は自動旋盤なので、それだけでなく新たな機能を追加していき、先程ご紹介した『DLFn』もそうですが、1つの製品が1つのラインで完成できるような生産設備に力を入れていきます。 さらに、新規分野への取り組みも行っていきたいと考えており、まずは生活を補助する介護分野を検討しています。これからの高齢化社会において、介護へのニーズは一層深まっていくと思いますので、その中で当社のできることを考えて、コア技術を活かした製品開発を進められればと思っています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真4 モジュール型自動組立装置『SmartFAB』写真7 コントローラ『UNICORN』写真3 モジュール化された『NXTⅢ』の装置内部 写真5 自動/省人化ツールのリールローダ写真6 モジュール型生産設備『DLFn』