ブックタイトルメカトロニクス4月号2015年

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概要

メカトロニクス4月号2015年

MECHATRONICS 2015.4 11所 在 地:U R L:事業内容:東京都立川市http://www.kyastem.co.jpハードウエア設計(アナログ回路、デジタル回路)、ソフトウエア設計、製品開発/製造、コンサルティング業務、海外製品の販売、など。日本キャステム株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・面倒な手続きなども必要ありません。評価ボードもあるので、手軽に性能などの評価をすることが可能です。 次に紹介するのは、エコーキャンセラの技術を活かしたハンズフリー通話『Comstabi デバイスLS エディション』です(写真3)。この製品は、1チップのハンズフリー通話アクセラレータで、近接したスピーカとマイクを使い、騒音の大きな環境でも快適で安定した通話が実現できます。主な仕様や特徴としては、64ピンTQFP パッケージ、音声信号はシリアル入出力、UART /入力ピンから外部制御可能、電源電圧3.3V単一電源、アイドル時の低消費電力モードに対応、シンプルな回路構成が可能(発振回路内蔵)、などが挙げられます。 そして次は、音声コーデック、エコーキャンセラ、ノイズキャンセラなどの技術を活かした音声通信ボード『MPD-Ether』を紹介します(写真4)。この製品は、Ethernetインタフェース、アナログ入出力回路を備えた音声通信ボードになります。マイクやスピーカを接続するだけで、Ethernet経由の音声通信機能を簡単に実現することができ、当社開発のエコーキャンセラ、ノイズリダクションを搭載しているため、ハンズフリーによる高品質な1対1通話が可能です。また、広帯域コーデックを使用したマルチキャスト送信により、Ethernet経由で音楽を放送することもでき、様々な外部制御機能により柔軟なシステム構築が可能です。さらに、オプションのPoE 電源ボード『MPD-PoE』と組み合わせることにより、Ethernetからの電源供給が可能になります。 緊急警報システムに関連する製品や 取り組みなどについてお聞かせ下さい青木:こちらの分野も多彩な製品を取り揃えています。まずは、緊急地震速報/緊急警報放送検出デバイス『EWS430D-IPW』を紹介します(写真5)。この製品は、ラジオ/テレビの緊急地震速報を知らせる「ピロンピローン」というチャイム音や、緊急警報放送の「ピロピロ」というFSK 変調の信号音を検出するデバイスです。主な仕様や特徴としては、外付け部品が少ない、低消費電力10mW 以下(デバイス単体)、低電圧動作2.2 ~3.6V、小型20ピンTSSOPパッケージ、緊急警報放送は第1種と第2種の信号に対応、などが挙げられます。 また、2 年ほど前に『EWS430D-IPW』を採用したFM放送用緊急告知受信機『ER3311』も開発しています(写真6)。こちらは、お客様からの意見や要望を採り入れた多機能な製品になっています。主な特徴としては、FM 放送を利用するのでランニング費用が掛からない(電気料金を除く)、インターネット回線が不要のため災害時にも情報が途切れない、大きな地震の時だけ告知(FM 放送局に準ずる)、津波警報など緊急警報放送受信にも対応する、放送設備との連動ができるので校内や館内などへ一斉放送が可能、警報音声がプリセットされているため複数のアナウンスパターンからアナウンスの内容を選択できる(オプションでオリジナル音声もプリセット可能)、などが挙げられます。 そして、防災関連分野の取り組みとしては、2013年4月からスタートした鳥取県で実施されているデジタル防災行政無線システムの導入に携わりました。このシステムは、行政使用に限られている移動無線(260MHz)と住民間通信が可能な地域振興波(360MHz)を組み合わせた全国初のハイブリッドシステムで、災害発生時に市役所の災害対策本部と災害現場/避難所などをつなぐ通信ができ、行政からの情報を一斉に放送するだけでなく、屋内で聞くことができる戸別受信機(市内全戸配布)を活用して地域コミュニティ放送(地区、自治公民館からの放送)を可能にした無線ネットワークです。当社は、この画期的なシステムを発案した地元業者に協力し、複数の異なる無線システムを中継するための装置の設計/製造を行いました。 また、兵庫県でも同じようにデジタル防災行政無線システムの導入が進められた時には、エンドユーザー向けの地域振興受信機『ER3551』(写真7)を開発し、全世帯に設置しています。 今後の展開についてお聞かせ下さい青木:当社は、元々システムの一部を担うような素材を提供する仕事が多かったのですが、最近ではエンドユーザーが使用する最終製品を開発することも行い始めています。そのため、今まではあまり接する機会のなかったエンドユーザーの声を身近で聞くことができるようになり、製品づくりをする上で、エンドユーザーのお役に立てるような製品を提供したいという気持ちが強くなってきました。 特に新規事業となる防災関連機器では、それぞれの地域で本当に必要とされている防災関連の取り組みに色々提案ができるように視野を広げていき、当社の技術が活かせればと考えています。そのために、技術の向上も必要になってきますし、ちょうど当社の世代交代の時期にきているので、技術継承を行いながら新たな技術の取得にも努めていきます。さらに、当社の技術だけでは完結できない案件なども増えてきているので、良い製品づくりを行うために協力してもらえるパートナー企業を色々と探していきます。 今後も、音声デジタル信号処理技術を活かした通信関連機器や防災関連機器の開発を行って行きますが、特に防災に関しては、我々の製品を正しく活用し、本当の意味で安全と安心を提供できるような防災教育や啓もう活動に関連する事業も、積極的に行っていきたいと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真4 音声通信ボード『MPD-Ether』音声通信ボード『MPD-Ether』PoE 電源ボード(オプション)MPD-Ether + PoE 電源ボード写真7 地域振興受信機『ER3551』写真6 FM放送用緊急告知受信機『ER3311』写真5 緊急地震速報/緊急警報放送検出デバイス『EWS430D-IPW』写真3 ハンズフリー通話『Comstabi デバイスLSエディション』デバイス評価ボード