ブックタイトルメカトロニクス3月号2014年

ページ
13/60

このページは メカトロニクス3月号2014年 の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス3月号2014年

MECHATRONICS 2014.3 13所 在 地:U R L:事業内容:埼玉県加須市http://www.skyrail.co.jpスライドレール/太陽電池モジュールおよびその関連システムの設計、開発、製造、販売、など。株式会社 スカイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かされていきました。そして、その積み重ねによりノウハウが蓄積され、高精度なスライドレールをつくれるような独自の技術へと成長していきました。 スライドレールは、重い引き出しやユニットを軽い力でしかもスムーズに動かすことができますが、その理由としてはスライドレールの構造にあります。 一般的なスライドレールの基本構成である、シングルスライドレールという製品で説明します。スライドレールの主構成部品は、アウターメンバー(筐体などの固定された面に取り付けるレール部品)/インナーメンバー(引き出しなど摺動させたい箱、物体などに取り付けるレール部品)/ボールリテーナー(個々のボールを正しい位置に保持(リテイン)するためのレール部品)/ボール(通常ボールリテーナーに組み込まれている)の4 種類の部品で構成されています。 スライドレールの断面および構造(図1)を見て頂くと、①レール内部に複数のボールを使用することで、各々のボールで荷重を受けるため荷重が分散される。②アウターメンバーとインナーメンバーの間にボールが挟まるような構造となっており、各メンバーとボールは点で接触。このため摩擦抵抗が少ない(転がり抵抗がかかる)、という構造的な特徴がある。ということをご理解頂けると思います。この結果、軽い力でもスムーズに操作をすることが可能となっています。 また、シングルスライドレール以外にも、「どれくらいのものをどれだけ移動させたいのか」という使用目的により、ダブルスライドやスリーメンバースライドといった構造の製品もあります(図2、3)。 これらのスライドレールを構成する部品すべてに、当社の蓄積された独自技術が活かされ、高精度なスライドレールが実現しています。 御社のスライドレールの特徴や種類な どについてお聞かせ下さい高田:国内のユーザーは、非常にシビアな要求をされることが多く、例えば引き出しを強く引いても壊れないようなものがほしいといった、通常に使用するというより、過酷な環境での使用にも耐えられるような製品が求められています。当社の製品は、そのような耐衝撃性や/安全性などにも優れています。また、標準品はすべてRoHS 指令に準拠しているといった環境面にも配慮されています。また、自社で金型の製造設備をもっているので、簡単なサンプルなどはすぐつくれるような環境も整っています。考えることより先に行動に移すことで様々なユーザーニーズに対応できる強みももっています。 そして、小型サイズのものから高荷重用レールまで様々なサイズの製品を製造し、その中でも特に力を入れているのが、スーパースリムやミニレールといった世界最小クラスのシリーズになります。通常よく使われているサイズは、レールの断面が35.3mm の製品で、その次に使われていたのが小型サイズといわれていた27mm の製品でした。当社も、最初は35.3mm の製品を中心に製造していましたが、色々とユーザーニーズを調査する中で、より小さいものへのニーズがかなりあることが分かりました。また、35.3mmサイズの製品だと約30kgの重さまで耐えることができますが、そこまでの重さに耐えられなくてもいいというような声をよく聞きました。そこで当社は、35.3mmサイズの次のサイズとして、板厚を薄くし、サイズも20mmというコンパクトにした『スーパースリムシリーズ』を開発しました(写真1)。このサイズは、当初他社もまだつくっていないような大きさだったので、結構注目されて売れ行きも好調でした。製造に関しては、日本の工場が主体でしたが、一部PT.スカイインドネシアの工場でも製造していました。 それから、スーパースリムシリーズよりさらに小さい14mmと16mm サイズの『ミニレールシリーズ』をPT.スカイインドネシアで開発し、同社の工場で製造しています(写真2)。このシリーズは、たまたま当社と取り引きのある商社の目に留まり、パチンコの遊技台の部品として採用されるなど、スーパースリムシリーズと同様にヒット製品となりました。 最近では、スーパースリムシリーズ以降新レール開発を行っていなかった日本の工場でも、インドネシア工場の動向に刺激を受けて新製品の開発が進み、今までの製造方法とは異なる方法で製造した『U1000シリーズ』という新製品を開発しています(写真3)。このシリーズは、ミニレールシリーズをさらに小さくした10.6mmサイズで、昨年から販売を開始して現在事業展開を進めている状況です。 このように、コンパクト化を進めることで今まで使えなかった場所にも使用することができるなど新たな市場が広がり、ユーザーの開拓や既存製品の改良などにも繋げられています。 今後の展開についてお聞かせ下さい高田:まずは、既存のユーザーに対して「当社がどこまで踏み込んだお手伝いができるのか」ということをしっかりアピールできるような体制にしていきたいと考えています。そのために、新製品のPRなどを通じて今まで拾えていなかったニーズやウォンツをしっかりキャッチし、それに対して当社で対応できることを明確にしていきます。この取り組みは、昨年から進めていますが、まだまだ確立できていない部分があるので、引き続き進めていきます。 それから、日本国内に製造基盤となる工場を設置している以上、他社にできないことを追求していかなくてはならないと考えています。新製品の開発はもちろん、新たなことへのチャレンジなどを今後も進めていきます。当社の強みは、金型の設計製造が自社で行え、またインドネシア工場にはめっきの設備もあるので、材料さえ調達してくれば設計から開発、製造、組み立てまで、すべて一貫した生産を自社で行えることです。この強みを活かし、納期の短縮やコストの削減など、ユーザーの声を聞きながらユーザーのメリットになるようなことに取り組むことで、新たな市場や新たなユーザーへの開拓に繋がっていけると考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真3 U1000シリーズ写真2 ミニレールシリーズ写真1 スーパースリムシリーズ