ブックタイトルメカトロニクス1月号2014年

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概要

メカトロニクス1月号2014年

10 MECHATRONICS 2014.1 御社の概要についてお聞かせ下さい森田:当社は、1993 年2 月に東京都大田区大森にて創業し、主に電気電子機器における組み立て配線の請負業務を行っていました。同年3月には、本店を川崎市麻生区白山に設立し、10月には工場を川崎市麻生区千代ヶ丘に移転しました。そして、翌年の1994 年3月には、大手電子計測器メーカーとの取り引きを開始し、会社的にも軌道に乗り始めていきました。 大手電子計測器メーカーの仕事としては、測定器をラックに納めてケーブルを繋いだりするなど組み立て配線を中心に行っていましたが、高周波の切り替えスイッチボックスといった少し高度な技術を必要とする仕事も次第に頂けるようになっていきました。その過程で実績を積み、1998 年10月からは、当時急速に伸びていた携帯電話端末に関連する仕事も進めるようになり、会社の規模も徐々に大きくなっていきました。 2002 年5 月には、業務拡大のため工場を川崎市麻生区栗木台に移転し、同年8月に本店を同じ区内の上麻生に移転しました。そして少しずつですが、取引先の幅を広げていけるような体制を整えていきました。 また、2008 年11月には、『マイクロウェーブ展2008』に当社初となる展示会出展を遂げるなど、当社の知名度を上げる取り組みも行っていきました。展示内容としては、シールドボックスや高周波信号切り替えボックス、それから今ままで手掛けた検査治具関連などを紹介し、来場者の方々に説明を行いました。マイクロウェーブ展自体は、計測器メーカーが中心の出展で、展示内容としても高周波部品などが紹介されているような感じですが、その中では当社の展示は少しイメージが違うような内容だったかも知れません。しかし、今となってはそれが逆に大きな特徴となっているように思います。 シールドボックスのメーカーは数多くありますが、当社の場合はカスタム仕様のものが中心に EMC /シールド/RF /セキュリティ/カスタムなどのソリューションを中心に事業を展開する森田テック株式会社。ユーザーの使用環境にあったカスタマイズを行うことでノウハウを蓄積していく同社の概要と技術、また高効率で使いやすい製品などについて、代表取締役社長 森田 治 氏にお話を伺った。森田テック株式会社代表取締役社長森田 治 氏カスタマイズで高効率を実現する高周波関連製品~ユーザーニーズにより様々なソリューションを提供~なっており、他社の規格品と比べると価格的にも高くなります。ただ、必ずしも規格品がユーザーの使用環境にマッチするとは限らないので、規格品を導入しても効率的にはあまりよくないケースもあります。その点当社の場合、ユーザーの要望を聞いてからサイズや仕様などを決めていきますので、使用環境にあった効率の良い製品を提案することができます。さらに、シールドボックス内に治具を組み合わせる場合、シールドボックスメーカーに依頼するのではなく、治具専門のメーカーに改めて依頼するケースが多いのですが、当社の場合はシールドボックス内の治具に関しても対応できるため、ユーザーサイドの手間も少なく、使いやすさにも優れた製品を提供することができます(写真1)。最近では、通信インフラの進歩により高周波の試験を行う案件が増えており、こういったシールドボックスに治具を組み合わせた製品が注目されてきています。 また請負業務だけでなく、メーカーとして自社製品の開発にも着手し、2008 年12 月に初めてのオリジナル製品となるハンドインシールドボックスの特許を取得しました。さらに2010 年3月には、当社の主力製品となる高性能EMCノイズスキャナ『WM7400』を発売しています(写真2)。この『WM7000シリーズ』は、川崎商工会議所などが推進する「川崎ものづくりブランド」に応募し、2012 年度に認定されています。 そして今年(2013 年)の10月には、さらなる業務拡大のため工場を東京都稲城市百村に移転し、現在ではEMC /シールド/ RF /セキュリティ/カスタムなどのソリューションで事業展開を進めています。 御社の技術についてお聞かせ下さい森田:当社は、電気電子機器の組み立て配線を始め様々な事業を行ってきましたが、その中でメインとなっていたのが高周波に関するものになります。それは、高周波に関する電気回路設計といった個別のものではなく、機構設計や電気設計といった幅広い内容で対応することができるということで、何かものをつくってそれを動かすための要素をすべて兼ね備えています。 このようなことが社内で行えたことで、「川崎ものづくりブランド」にも認定された高性能EMCノイズスキャナを世に出すことができたともいえます。メカニズムの設計とそれを動かすための電気設計、それからノイ写真1 自動開閉機構付き治具内蔵型ハンドインシールドボックス写真2 高性能EMCノイズスキャナ『WM7400』