ブックタイトルメカトロニクス10月号2013年

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概要

メカトロニクス10月号2013年

8 MECHATRONICS 2013.10高確度な単板コアロス測定を実現するファンアウトバッファ内蔵のワンパッケージと低ジッタ特性を実現する新方式を採用した小型単板磁気測定装置を発売多出力SAW発振器を商品化 岩通計測(株)は、新方式となる「ヨークロス補償機能付き 新SST」を採用した小型単板磁気測定装置『SY-956』を発売した。 同製品は、従来のSST の最大の欠点であった、測定ヨークのコアロスをキャンセルし、本来の測定対象である単板のみのコアロスを測定できるようになった。測定周波数範囲を大幅に広げ、低周波から可聴限界の最高20kHz の測定周波数に対応し、トランスやコイルのうなり測定など、実際の製品で使用する周波数領域の特性評価を実現。測定可能な試料サイズは、幅35mm 以下、長さ36mm 以上、厚さ3mm 以下で、極小サイズも対応可能。測定中、試料に一定の圧力をかけて保持するので、印加磁界が安定し、測定の再現性が大きく向上。また、試料の厚さに応じた最適な圧力の設定が可能。セイコーエプソン(株)は、ワンパッケージでありながら複数のクロック出力を可能にした低ジッタSAW 発振器『MG7050 シリーズ』を商品化した。同製品は、従来のSAW発振器と異なり、ファンアウトバッファ(入力信号を複数に分配して出力する回路)を内蔵したことで、ワンパッケージでありながら2本または4本のクロック同時出力を可能にした。さらに、エプソン独自の強みであるSAW 共振子技術と半導体技術を用いることで、ファンアウトバッファを内蔵しながらも同社従来商品と同等の0.12ps(156.25MHz 時)の低ジッタ特性を実現している。これにより、複数のクロック源を必要とするユーザーのシステムに対して、部品点数削減による省実装面積化(ファンアウトバッファ外装の場合と比べて約1/2)や低消費電力化で大きく貢献す 電磁鋼板に代表される軟磁性単板のコアロス測定法は、「エプスタイン法と、単板磁気特性測定法(SST:Single Sheet Tester)」に大別され、それぞれの測定方法は、JIS C 2550、JIS C 2556 に規定されている方法である。エプスタイン法は、単板を井桁(いげた)状に12 枚以上積み重ねる必要があるため、試料の採取と測定に大変時間を要している。一方、SST は一枚の単板で測定するので、試料の採取と測定に要する時間は短縮できるが、測定に用いる「測定ヨーク」と呼ばれる鉄心のコアロスなどの磁気特性が測定値に影響を及ぼしていた。今回採用した「ヨークロス補償機能付き 新SST」は、従来のSST の欠点に改良を加えた方式で、測定ヨークとは別に参照ヨークを備え、測定ヨークのコアロスなどの磁気特性をキャンセルすることにより、従来のSST の良さる。また、様々なシステムに対応できるように、出力形式はLV-PECL、LVDS、HCSL の3種類を用意している。さらに、周波数を分周する機能も備えているため、ユーザーはシステムを簡素化し、コストを削減しながらも、必要な性能を得られる。近年、次世代高速通信ネットワークにおける機器では、通信の大容量/高速化が飛躍的に進み、そこで使用されるシステムでは、様々な周波数への対応と、より一層の低ジッタ特性をもつ発振器が要求されるようになってきている。特に、ルータ、スイッチをはじめとするネットワーク機器においては、取り扱う情報量が急激に増加しているため、システム上ではクロック源を複数のブロックへ分岐させて駆動する必要がある。通常、このようにクロック源を分配するためにはファンアウトバッファが必を継承しながら、単板のみの磁気特性を正確に測定することに成功した。なお同方式は、首都大学東京 清水敏久教授と特許共同出願中である。 同社では、2013 年8 月23日より販売を開始しており、45 台/年の販売を目標にしている。要となるが、部品点数や消費電力の増加、さらには出力経由時にジッタ特性の劣化が生じていた。同社では、2013 年8 月19 日より、サンプル出荷を開始している。2013.10請求番号K5002請求番号K5001請求番号K0006