メカトロニクス10月号2012年

メカトロニクス10月号2012年 page 10/60

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概要:
10 MECHATRONICS 2012.10 御社の概要についてお聞かせ下さい川嵜:当社は、半導体/液晶関連の製造装置メーカーとして現状事業展開を行っていますが、元々は搬送用ロボットを手掛けたのが始まりになります。1992 年....

10 MECHATRONICS 2012.10 御社の概要についてお聞かせ下さい川嵜:当社は、半導体/液晶関連の製造装置メーカーとして現状事業展開を行っていますが、元々は搬送用ロボットを手掛けたのが始まりになります。1992 年5月に、当時勤めていたモータメーカーから独立して、当社を設立し、1995 年4月に(株)日立製作所から半導体関連に使用する水平搬送ロボットの開発を依頼され、本格的にエンジニアリング関連の事業を展開していきました。 1998 年9月には、ある大手企業からシリコンウエハを研磨した後に使用するCMP 洗浄装置の開発を依頼され、OEM 供給を行うようになりました。埼玉県の中小企業創造的事業活動の認定や中小企業経営革新新法の認定を受けるなど、その後もニッチな市場を中心に、特注品の開発などを行っていましたが、2007年2月に独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研)より薄膜用太陽電池ガラス基板洗浄装置の開発を依頼され、納入したのをきっかけに、以前から興味のあった太陽電池関連分野にも参入していくようになりました。太陽電池関連分野では、特にエッチングに注力していきました。 参入後は、太陽電池用シリコンセパレータやガラスエッチング装置などを開発し、2010 年6 月には太陽電池用ガラスエッチングについて、産総研太陽光発電工学研究センターの協力を受け、事業を開始しました。2011 年7月には、埼玉県の平成23年度次世代産業参入支援事業として補助金を受けて、薄膜シリコン太 搬送用ロボットの技術を軸に半導体/液晶関連の製造装置メーカーとして事業を展開するマック産業機器株式会社。ニッチな市場に的を絞りながら、最近では太陽電池関連の事業も展開する同社の概要と、技術/製品などについて、代表取締役 川嵜 修身 氏にお話しを伺った。マック産業機器株式会社代表取締役川 嵜 修 身 氏ニッチな市場を開拓しながら再生エネルギー分野へ参入~半導体/液晶関連に加え、太陽電池関連の事業も展開~陽電池ガラスのテクスチャリング加工についての技術開発を行っています。 このように最近では、半導体/液晶関連に加え、太陽電池関連の事業にも力を入れており、ウエイトではまだまだ半導体/液晶関連が多くを占めていますが、2本柱で進めていきます。 御社の技術に関してお聞かせ下さい川嵜:当社のコアとなる技術は、搬送ロボット関連の技術になりますが、そのほかにもシリコンウエハを両面から洗浄できる板材クランプ装置などがあります。 半導体ウエハの製造工程では、ウエハを高速で回転させたり、回転速度を急激に変化させたりする必要があるため、クランプ機構が重量物であると大きな遠心力が作用し、大きな振動が発生すると共に、回転駆動装置も大きな出力が得られる大型の装置が必要となっていました。そこで当社は、高速で回転させた場合でも大きな振動が発生するのを抑制すると共に、回転駆動装置を小型化できるようにする板材クランプ装置を開発し、パテントを取っています。 また、太陽電池関連の技術については、半導体/液晶関連の技術を応用するものもありますが、先程少しお話した薄膜シリコン太陽電池ガラスのテクスチャリング加工についての技術は、応用ではなく新たに技術開発を行っています。 現在、薄膜シリコン太陽電池用ガラス基板の加工は、真空装置を使用して平らなガラス基板に透明導電膜を形成し、それから導電膜を凹凸にする微細加工を行うのが一般的でした。この技術開発では、薄膜シリコン太陽電池用ガラス基板に直接ウエットエッチング法によるテクスチャ(細かい凹凸)を形成させ、太陽電池の製造コスト削減と発電効率の改善を図ることが狙いです。 すでに、フッ素化合物-酸-水-有機溶剤からなる新規エッチング剤を開発しています。特徴としては、粗さの度合いが小さいにもかかわらず、高いヘイズ率を実現できるガラス基板が得られ、薄膜シリコン太陽電池用ガラス基板への応用が期待されています(写真1)。 御社の主力製品について お聞かせ下さい川嵜:半導体/液晶関連の装置では、最初に全自動ウエハスピン洗浄装置『ME-5000R』をご紹介します(写真2)。この装置は、ウエハカセットを本体に手動でセットし、収納されている対象ワークをロボットでスピン洗浄部に送り、スピン回転させながら二流体洗浄、超音波洗浄、N2ブロー乾燥の処理を行い、再びウエハカセットに収納する装置です。洗浄物は、300mmおよび8イ写真1 ヘイズ率(400 ~ 800 の平均)のガラス表面粗さ依存性とテクスチャリング加工ガラス基板サンプル写真2 全自動ウエハスピン洗浄装置『ME-5000R』※太陽電池の評価ならびに一部の基板の評価は、独立行政法人産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センターの協力を得て実施。7060504030201000      50      100      150      200      250     300 二乗平均平方根粗さ Rq(nm)未処理ガラス基板テクスチャリング加工ガラス基板ヘイズ率(%)当社開発品市販品