メカトロニクス5月号2012年

メカトロニクス5月号2012年 page 11/60

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MECHATRONICS 2012.5 11所 在 地:U R L:事業内容:愛知県豊橋市http://www.imada-ss.co.jp/引張圧縮試験機、各種評価試験機および関連製品の製造/販売、など。株式会社 今田製作所・・・・・・・・・・・・・・・....

MECHATRONICS 2012.5 11所 在 地:U R L:事業内容:愛知県豊橋市http://www.imada-ss.co.jp/引張圧縮試験機、各種評価試験機および関連製品の製造/販売、など。株式会社 今田製作所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・を整えています。 しかし最終的には、電気的な部分も機械的な部分もそうなのですが、各種材料や電子/電気製品、自動車関連やロケットの部材といった、ありとあらゆる製品や材料を検査したり試験するような知識が重要になってきます。試験内容についても会社ごとというよりも業種の分だけ様々なものがあり、例えば一つの部品にしても評価の仕方は何通りもあるので、それだけ試験内容がいくつもあるということになります。 このような知識がないと、お客様に様々な提案なども行えません。当社は、先々代の頃から検査や試験に関する様々なご要望に応えてきた実績があるので、そういった知識も豊富にあります。また、そのような実績が当社のノウハウとなり、新たなつぎの仕事へと活かされ続けています。 貴社の新製品についてお聞かせ下さい今田:現状の引張圧縮試験機を一新した新製品を開発し、本年度から本格的に販売を開始します。今回の新製品となる引張圧縮試験機は、2N~100kNまでの各型式があり、卓上型や床置き型、ストロークの大きなタイプや特殊な仕様のタイプも用意しています(写真1、2)。 主な機能としては、オプションで荷重レンジが最大8レンジまで増設可能、クロスヘッド速度任意設定機能、試験条件内部メモリ保存機能、試験時間/回数表示機能、ピークホールド/ボトムホールド機能、破断点検出機能、開始点検出機能(接触検知)、サイクル運転機能、結果合否判定機能、自動キャンセル/自動送り機能、自動原点復帰機能、たわみ補正機能、などがあります。 自動送り機能は、試験開始後から荷重の立ち上がりまでの??間(クリアランス)を、設定した早送り速度で動作させて試験時間を短縮する目的の機能で、主に圧縮試験で使用します。自動原点復帰機能は、計測完了(試験終了)となった時点で指定原点へ戻す機能で、指定原点は「変位ゼロ」または「上下限リミット」のどちらか選択します。サイクル運転機能は、設定荷重(または変位)の繰り返し動作の機能です(写真3)。これら3つの機能は、特に便利な機能として挙げられます。 また、最新のユニットとなる試験機の心臓部ともいえる操作計測ユニットは、液晶タッチパネルにより動作や各種条件設定を行う使いやすいインタフェースで表示なども見やすくなっています(写真4)。 さらに、専用のソフトウエアとして『データ処理ソフトISP-V』を用意しています(写真5)。 このソフトウエアは、引張圧縮試験機からの荷重値および変位値をPCに取り込み、荷重- 変位曲線(SSカーブ)や荷重-時間曲線を描画して測定演算処理などを行い、試験結果のプリントアウトや各データ保存などが行えます。操作計測ユニットとソフトウエアが双方向で同期し、どちらからでも設定できます。各種材料試験や指定ポイントの計算/集計などが設定により行え、計測はグラフ、設定条件、処理結果や集計、試験機への指令など、1 画面で取り扱い易くなっています。サンプリングデータ(荷重/変位/時間)や各試験結果データをCSV 形式で出力する機能があるので、他アプリケーションでも容易に処理や加工が行えるといった特徴をもっています。 製品開発などでご苦労なされた点など ありましたら、お聞かせ下さい今田:今回の新製品では、標準ユニットを製作する上で初めて液晶タッチパネルを使用したので、その取り扱いなどに苦労しました。液晶タッチパネルを使用するメリットとしては、スイッチを自由に設定することができるといったことなどが挙げられますが、今回が初めてということもあり、外注の業者にもお手伝いして頂いて、仕組みから何から一から設計していきました。 また、ユーザーニーズなども色々とあり、極力それらを取り込みたいと考えていたので、ニーズの整理をしていくことが非常に大変でした。あるユーザーからは、現場の作業者に設定変更をされたくないので出来ないようにしてほしいというニーズがあり、大学などの研究機関からは、頻繁に設定を変更したいので設定しやすいようにしてほしいという相対するニーズなどもあったので、どちらのニーズにも対応できるように事例などを挙げながら整理していく作業が、製品を製作するより大変でした。 さらに、製品を使用すればまた新たな問題が出てくると思います。しかし、苦労もありますがそういった問題をクリアしていくことで、次の製品開発への糧になっていくと考えています。 現状の課題と今後の展開について お聞かせ下さい今田:製造業のユーザーは、製造ラインや製造機器といった生産に使われる機器のほうがメインでフロントに立ち、試験や品質管理、品質保証、それから開発などに使われる試験機や検査機などは、フロントから離れた状態の部分になっています。ただ、現状各社とも品質を上げる取り組みの中で、一つの要素として試験機や検査機などの分野はすぐになくなることはありません。しかし、今まで国内のユーザーから「あの工場にある試験機と同じものがほしい」といった口コミなどで買って頂いていたケースは、国内から海外への工場移転が増えている中で減少していくだろうと考えられます。このようなことから当社は、従来のスタンスを崩さないにしても、海外に目を向けた事業展開を進めていかなくてはいけないと考えています。 また、もっと色々なユーザーがつくられる特殊な製品に対応して行きたいと考えています。今まで、それなりに幅広い分野の試験ノウハウを失敗しながらも積み重ねてきた経緯があるので、これらを活かしながら新しいものに、国内海外を問わずチャレンジして行きたいと思っています。 最近では、エネルギー分野で注目される電池関連や自動車分野でのカーボン系などの軽量素材を試験する案件や、食品分野もシール材を含めて規格が厳しくなっているので、そういった分野の案件にもさらに力を入れて行きたいと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真3 サイクル運転機能の画面写真5 データ処理ソフトISP-V の画面写真4 操作計測ユニット