ブックタイトル実装技術5月号2021年特別編集版

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概要

実装技術5月号2021年特別編集版

431. 世界の電子回路基市場の概要 世界の電子回路基板市場の推移を2005年以降から示すと図1のようになる。世界で約650億ドルの市場規模となっており、2015年度は少し減少しているものの概ね世界市場は、リーマンショックの影響を受けた2009年以外は大きな落ち込みはなく、ほぼ約650憶ドルの市場規模で推移しており、予測資料によっては2024 年には約900 億ドルが見込まれている3)。 世界規模では、今後、約900 億ドルと見込まれている背景には、IoT/5G・Post 5G・Beyond 5G・6G/AI の到来や環境規制によって対応が迫られる自動車業界の大変革によって、電動車への移行などによって新たな電子回路基板市場が増加するとの期待感があるものと思われる。 2019 年度の電子回路基板の生産金額の国別の割合をみていくと、図2に示すように2019 年は、 中国(51.4%)>台湾(12.2 %)>韓国(11.6 %)>日本(9.1 %)>他のアジア(7.5 %)>アメリカ(4.3 %)>欧州(3.0 %)>インド(0.4 %) の順となっている。中国が50%を超えたことになり、電子回路基板の製造はアジアに集中し、世界の91.5%が生産されていることになる。 日本の電子回路基板の国内生産金額は2005?2012年までは世界第2位に位置付けられていたが、台湾、韓国の追い上げもあり、さらに日本は国内生産から海外生産へと比重が移ったことにより、日本の2013年以降の国内生産額は残念ながら世界で第4位の位置付けにある。 2019年度の世界の品種別(WECC の分類による)の生産金額を示すと図3 のようになる。 標準的な多層電子回路基板がもっとも多く生産されており(36.6 %)、次にフレキシブル電子回路基板・リジッドフレキ(21.1 %)、ビルドアップ電子回路基板(14.6%)、片・両面電子回路基板(14.3 %)、ICサブストレート基板(12.7 %)と続く。これは世界全体として金額ベースの割合を算出したものである。国によってこの生産品種は微妙に異なる。これは国別の項で解説する。2. 国別市場 次に国別の品種別生産金額の割合を示すと次のようになる。(1) 中国 中国は世界の工場として位置づけされ、電子回路基板についても中国での生産が進展した。 特に台湾の電子回路基板メーカーが中国に大規模の工場を建設し、生産を開始した。日本を含めて他の国からも中国に進出した背景があり、そのため中国での電子回路基板の生産が飛躍的にあがった。 生産は標準的な多層電子回路基板(46.0%)、フレキシブル電子回路基板・リジッドフレキ(16.7%)、ビルドアップ多層電子回路基板(16.6%)、片両面電子回路基板(17.5%)と続く(図4)。図3 世界の品種別電子回路基板生産額割合(WECC)図2 国別電子回路基板生産額割合(WECC) 図4 中国の品種別電子回路基板生産額割合(WECC)