ブックタイトル実装技術5月号2021年特別編集版

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概要

実装技術5月号2021年特別編集版

33 手はんだでは、こて先の温度が低い場合やタクトが短い場合(熱量が少ない)、溶融はんだの冷却速度が速く、フィレット光沢がよくなるが、耐熱性の高いフラックスでは、ぬれ広がりが悪くなり、勢い、はんだ供給量が多く、はんだボールの原因となる。 同時に、接合界面の熱不足を引き起こす可能性も高いので、作業に使用するこて先形状や大きさ、及び作業タクトには十分注意する必要がある。 最近は、量産作業での手はんだ作業を指導管理できる人材が不足しているので、市場での発火・発熱事故が未然に防ぐことが難しくなってきている。 特に表面実装品の修正はわかりやすいのだが、撚り線などのリード線は、表面のみはんだがぬれ広がり、撚り線内部へのぬれ込みが見えないことによる、発熱・発火・断線を見落とす恐れがある。 最近のniteの事故レポートでも発火・発煙事例が多く見られる。3. 観察事例 ② 図2は観察事例の②である。フラックスの熱反応特性は、はんだのぬれ性に大きな影響を与えるので、その特性に合わせた加熱条件(温度プロファイル)を、外観観察から捉えておく必要がある。 特にボイドに関しては、フラックスの特性を低下させずにはんだを溶かす必要があるため、下部ヒータを活用すると良い。 ボイドの観察は個々のフィレットの観察が必要であるが、現状は効率化でかなり簡略化した観察で、特にBGAでは映像が小さく判定が難しいので、観察だけでなく改善対策も強化すべきである。 BGAやQFN 以外では、ボイドを直接観察する代わりにフラックスの観察でその熱反応を判定する方法がある。 BGAなども、周りの部品のフィレット観察で基板上の熱反応は判定することができる。図2ランドからフラックスが外側へ広がっており、切れが悪いぬれ性が悪くフィレットが盛り上がっているフラックス残渣がランド周りに凝集していることから、熱反応が早いことが見てとれる大気炉でのぬれ性が良好MK-504LH-KS218