ブックタイトル実装技術5月号2021年特別編集版

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概要

実装技術5月号2021年特別編集版

321. はじめに 国内の量産工場の減少に伴い、現場で実装部品の良否を判定する人材が不足してきている。 長らく量産現場での検査工程は機械任せで済ませてきたが、相変わらず市場トラブルは続いている。 特に、発煙・発火トラブルにおけるコスト負担は製造コスト以上に大きくなる。 Nite のレポートでも2021 年に入ってからの発火・発熱事故が多く見られが、海外製造品のみならず国内製造品にも多く見られる。 現状の自動検査機器による良否は、部品の有無やずれはんだの量及びフィレット形状などでの判定になっているが、ボイドや接合界面の状態は別の評価方法が必要になる。 特に実装品の発煙・発火は、設計・部品基板不良以外では接合界面に問題があると見てよい。 はんだ付けは、加熱によってフラックス効果を引き出しながらはんだを溶かす作業であり、問題になるのは現場で即良否判定でることである。 検査機器で良否判定していては製造ラインが止まり生産効率が落ちる。 現場での良否判定はフラックスの熱反応状態から推測されるが、加熱条件の他に使用しているフラックスの熱反応特性によっても状態が異なるので観察方法が重要になる。 拡大鏡ではフラックスの熱反応状態を十分判定出来るレベルではなく、また実体顕微鏡では光の乱反射でフラックスが見えにくい。 観察時は実装基板や部品を動かさず、固定した状態でレンズを回転するようにリード周りを観察する。 この時のフラックスの形状を確認する方法は、レンズの回転や角度を変えることで発生する、フラックス表面のハレーションで行う。2. 観察事例 ① 図1に示したはんだボールの事例を見ていただきたい。いちばん左の写真のはんだボールにはフラックス残渣は見られないことから、こて先から落下したものであると思われる。 いちばん右の写真も、はんだボールには周りにフラックス残渣のハレーションが見える。量産現場における鉛フリーはんだ実装?実装品の良否判定事例?実装技術アドバイザー / 河合 一男図1 観察ポイントこて先から落下したはんだボールはんだ送り量が多すぎた使用フラックスの耐熱性が高くはんだ送りが多いが、フラックスの飛散はないこて先から飛散したはんだボール