ブックタイトル実装技術5月号2021年特別編集版

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概要

実装技術5月号2021年特別編集版

22環境関連技術12   はじめに 環境問題対策で一つのポイントとなっている「3R(スリー・アール)」について紹介する(図1)。「3R」は、廃棄物の減量(リデュース/Reduce)、資源や製品の再利用(リユース/Reuse)、再資源化(リサイクル/Recycle)の3つの頭文字の「R」から由来しており、2004 年のシーアイランドサミット(米)で、日本が提案して世界的に認知された環境と経済が両立した循環型社会を形成していくための3つの取組みの頭文字から由来している。 環境分野で初めて2004 年にノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさんは、2005 年2 月に来日した際に日本語の「もったいない」に出会った。「もったいない」はReduce(廃棄物削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)の環境活動に必須の3Rを端的表現し、しかも地球環境に対するRespect(尊重)も込められている素晴らしい言葉だと確信し、環境を守る世界公用語として啓蒙しようと提唱した。このような背景の3Rの中で、今回、再利用(Reuse)に関するものを紹介したい。 実はゴミとして処分される予定のノートPCを処分する前に分解して実装方法を調べる目的で譲り受けた。しかし、あまりにも外観が綺麗だったので方針を変えて、継続して使用することが可能なノートPCであるかの精査も検討し、もし、可能ならばPCのOSは最新のWindows10にバージョンアップして「再使用」(Reuse)することを考えた。スリーアールの実践の一つとして具体例を挙げて紹介したい。 また、動作しなくなったノートPCでリカバリーDVDがない状態での復活を試み、使用できるようにし再利用を可能にした経緯について解説し、ノートPCの実装状態の写真を紹介するとともに、その復活したノートPCの面白い活用事例についても紹介する。   古い機種の   OSのバージョンアップ化 今回、紹介する話題は、古い10年前に発売されたパナソニックのノートPCに関するもので、ゴミとして処分される予定であった。PCのOSはWindows7で、すでに2020 年1月14日でサポートを終了したOSであった。分解して実装方法を調査するために特別に譲り受けた。 以前から故障したり、あるいは不要となったりした電子機器はゴミとして処分する前に分解して実装方法としてネジの数、プリント配線板の材質、板厚、そして実装方法の特徴などを調べた上で処分していた。 意外といろいろな情報が得られ参考になることを過去に体験していた。今回もそのつもりで実施する予定で分解してネジの数、プリント配線板の材質、板厚などを調べ、場合によっては実装された基板などを教育用資料として活用も考えていた。今回、調査目的として10 年前の12.1 型のノートPCと5年前の15.6型の2 台を特別に提供していただいた。 ところが10 年前のモデルの『Let's Note CF-S9』(写真1)でも、使用頻度が少なかったのか外観は綺麗であった。 このまま分解して処分するには惜しいとまず思った。そのため継続使用に耐える機種であるかを少し詳しく調査することにした。そんなことから始まった「ノートPC復活物語」である。PCのOSは、バージョンアップをしてWindows10として利用ができるかも検討した。1.『 Let's Note CF-S9』(2010年モデル) 12.1型TFTカラー液晶で、CPUはIntel Core i 5-520M3R(スリー・アール)の実践特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 / 青木 正光図1 3Rのマーク