ブックタイトル実装技術4月号2021年特別編集版

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概要

実装技術4月号2021年特別編集版

26理想的な製品製造現場の実現のために123   はじめに 最近、政治環境やコスト面から、日本や東南アジアへの工場移転の検討が勧められている。特に、国内への工場回帰ではコスト面の問題を改善する必要がある。 今回は以前から検討してきた挿入部品と表面実装部品の一括実装によるコストと品質の改善に関する実験経過を説明する。   温度プロファイルの検証 現状の温度プロファイルは部品リード間の温度差を規定したΔTの概念に縛られているが、作業工程・手順重視でもっとも重要なできばえに関しては規定されず、現場における検査工程でも良否の判定基準が示されていない。1. 温度プロファイルの見直し はんだ付けは部品間の温度差ΔTで管理されるものでは十分ではなく、基板ランド表面の温度ではんだを溶かし、溶けたはんだの熱で部品リードを加熱することによってはんだ付けすることができる。 図1に、「温度プロファイル事例 ①」を示す。2. 携帯電話の電池基板 薄い基板・紙フェノール・FPCなどの熱量の小さな基板においては、既存の温度プロファイル(プリヒート)ではフラックスが劣化し、ぬれ性などに影響する。また、最近は部品の微細化に伴い基板も薄く小さくなっているため、基板の反りによる品質問題も起こしている。 特に、長い温度プロファイルにおける過熱は、接合界面における金属間化合物の成長を促し、高機能製品の基板実装の経年変化による品質の劣化を引き起こす恐れがある。 今後の電気自動車用の高機能基板では、特に温度プロファイルの概念の見直しは重要である。   挿入部品のリフロー化1. 表面実装対応の挿入部品のリフロー化 耐熱性のある挿入部品のリフローでは、はんだ供給方法が品質に影響し、印刷なのか、ディスペンサを使用するかによって、温度プロファイルの作成の方法について注意する必要がある。 部品への熱影響はヒータの操作方法によって対応することができ、特に治具などを用いる必要はない。2. 耐熱性中程度(150 ℃前後)の挿入部品実装 部品の耐熱性中程度の部品については、温度プロファイルの調整と簡単な断熱治具を用いることで対応する。3. 耐熱性の低い(100 ℃以下)挿入部品の実装量産現場における鉛フリーはんだ実装実装技術アドバイザー / 河合 一男