ブックタイトル実装技術10月号2020年特別編集版

ページ
31/38

このページは 実装技術10月号2020年特別編集版 の電子ブックに掲載されている31ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

実装技術10月号2020年特別編集版

43くの部品が厚膜印刷で形成可能と考えられている(*印で表示)。つまり、厚膜印刷回路の中に作り込むことが可能になる。3. 印刷抵抗 抵抗器はもっとも基本的な電子部品で、電子機器には大量に使われている。構造は単純で、その一部は厚膜印刷プロセスで作られている。ただし、個別部品としての抵抗器は、すべて無機材料で構成されている。抵抗器をフレキシブル基板の中に直接作り込むには、有機樹脂をバインダーとしたインクを使うが、2、3 回の厚膜印刷で、抵抗素子を形成できる(図4)。このような形状が直方体の抵抗素子の抵抗値Rは次のような式で表わされる。 R=a×L /(W×T) ここで、Lは抵抗体の有効長さ、Wは抵抗体の幅、Tは抵抗体の厚さである。また、aは抵抗体材料に固有の定数であるが、一般的に温度によって変化する。 いいかえれば、直方体の印刷抵抗体の抵抗値は、長さに比例し、抵抗体の幅と厚さに反比例することになる。W×Tは抵抗体の断面積になるので、断面積に反比例するということもできる。図5に示したのは、ポリイミドフィルムの上に、導体としての銀インク、抵抗体としてのグラファイトインクを、スクリーン印刷したものである。抵抗体は幅を変えることにより、異なる抵抗値を得ている。左端の抵抗体の幅は、右端の抵抗体の幅の10 倍なので、抵抗値は十分の一になっている。 図6は、図5の抵抗体の抵抗値を、幅を変えることにより、どのように変化するかをしめしたもので、きれいに反比例していることがわかる。図4 印刷抵抗体の構成図6 厚膜印刷抵抗体の幅依存性図3 電子部品の分類基材:ポリイミドフィルム、導体:銀インク、抵抗体:グラファイトインク、左端抵抗体の幅は右端の10 倍図5 フレキシブル基材上に形成した印刷抵抗体