ブックタイトル実装技術9月号2020年特別編集版

ページ
27/34

このページは 実装技術9月号2020年特別編集版 の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

実装技術9月号2020年特別編集版

39ON時間はいずれも十数秒以内と統一されているので設定しやすいが、長時間モードのON時間は規格毎にばらつきが大きく、選択が困難である。また、長時間モードにすればチップ近傍にはダメージがない、という訳ではない。チップから遠い部材だけを狙って評価することはできず、チップに近い部材の破壊が先行する場合もある。最大の障壁は試験時間の長さである。仮に、長時間モードで1サイクル5 分と設定して1 万サイクル実施した場合、試験満了までは35日間を要する計算になる。期間的に、熱衝撃試験と同等程度になる。どうせチップから遠い部材なのであれば、わざわざチップを発熱源に用いずとも、技術的に実施が容易な熱衝撃試験を採用すればよかろう、という判断もあり得ると思われる。そういった背景から、封止材、ケース樹脂、絶縁基板などは、熱衝撃試験とパワーサイクル試験が併用されている状況のようである。あくまで実用状態の熱ストレスの再現を重要視するのであれば、長時間モードのパワーサイクル試験を採用するとよい。4. 熱衝撃試験 デバイスの周囲温度を変化させる試験である。デバイス全体の温度が変化するため、長時間モードのパワーサイクル試験に状況が類似しているが、チップを熱源に用いない点で異なる。周囲温度を変化させる媒体は、空気かオイルが一般的である。オイルの熱容量の方が空気より大きく、より急激な温度変化を与えることが出来るが、パワーデバイスの評価においては、オイル浸漬は実用とかけ離れているという観点からか、あまり採用されない。空気を媒体とする熱衝撃試験の方式は、大きく分けて2 種類ある。概要を図3に示す。 エレベータ式では、その名の通り、試料が上下槽間を十数秒間で移動する。日本国内で長年適用されてきた方式であり、JIS C5012 “プリント配線板試験方法”などに規定される熱衝撃試験方法では、「1?30秒間以内に」温度移行するという要求がある。その後、温度移行の急激さが実用状況に合致しないなどを主な理由として、ダンパー式が国内主流の方式となった。ダンパー式は温度移行に数分程度を要する。昨今では、特に自動車用半導体の評価規格であるAQG-324 “Qualificationof Power Modules for Use inPower Electronics ConverterU n i t s ( P C U s ) i n M o t o rVehicles”で、「2 槽式で」「30 秒図3 熱衝撃試験の温度移行方式の概要(左:エレベータ式(試料昇降型)、右:ダンパー式(空気入替型)表1 パワーサイクル試験の条件と故障モード図2 パワーサイクル試験の条件設定の概要