ブックタイトル実装技術9月号2020年特別編集版

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概要

実装技術9月号2020年特別編集版

381. はじめに パワーデバイスの信頼性評価ではパワーサイクル試験が最重要となることを述べてきた。組み上がったデバイスの状態で行うため、製品状態の耐熱および熱サイクル耐性を評価できる点で優れた試験方法である。しかしながら、パワーサイクル試験が、「パワーデバイスの半導体チップを通電発熱させる」ことを考慮すると、半導体チップに近い部材の評価には向くが、遠い部材の評価には向かないように思われる。部材の位置と評価目的によっては、熱衝撃試験の方が適切である場合もある。また、電気的絶縁耐久性を評価するには、高温高湿バイアス試験の方が適切である。今回は、パワーデバイスに要求される代表的な試験方法と、評価目的に応じた試験方法の選定指針を解説する。2. パワーデバイスに適用される試験方法 パワーデバイスの構造と、適用される試験方法の対応状況を図1に示す。各部材と半導体チップとの位置関係によって、適用される試験方法が異なる。3. パワーサイクル試験 図2から、パワーサイクル試験はチップ接合材のはんだからベース基板底面のTIMまで、半導体チップに近い部材にも遠い部材にも適用され得ることが判る。パワーサイクル試験方法の代表的な規格では、部材の位置に応じたパワーサイクル試験条件の設定方法について記述されている。その概要を図2と表1に示す。 いずれの規格でも、試験温度の測定個所として、T:j ジャンクション温度とTc:ケース温度を定義している。前者はチップとワイヤの接合部の温度であり、試験電流の通電と同時に発熱上昇する。後者はデバイスの底面(ベース基板)の温度であり、通電に伴うチップの発熱が伝導することで上昇する。一般的に、Tjを上昇させるための通電時間は短くて良く、Tcを十分に上昇させるための通電時間は長く取る必要がある。表1 の規格では、試験電流の通電時間(ON 時間)と停止時間(OFF 時間)に着目し、短時間モードと長時間モードに区別し、各モードで発現するデバイスの故障箇所が異なるとしている。短時間モードではチップ近傍に素早いΔTj の温度変化を与えてチップ近傍にダメージを与え、長時間モードではデバイス全体に緩やかなΔTc の温度変化を与えてチップから遠い部材にもダメージを与えている。パワーサイクル試験の条件を調整することで、パワーデバイス中の様々な位置の部材の耐久性を評価することができる。 しかし、長時間モードの試験は何かと制限があり、難しい。表1からわかるように、短時間モードのパワーデバイスの信頼性評価の概要 ④?パワーサイクル試験、エレベータ式熱衝撃試験、高温高湿バイアス試験?(株)ケミトックス / 住田 智希図1 パワーデバイスの構造と適用される試験項目