ブックタイトル実装技術9月号2020年特別編集版

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概要

実装技術9月号2020年特別編集版

301. はじめに 電子機器の小型化と高性能化が進んでいることは、多くの方が実感されているのではないだろうか。実装技術が進化することにより、電子部品も小型のパッケージが増え、基板のサイズも年々小さくなっている。 電子部品では、FPGA、プロセッサ、メモリなどの基板を構成する主要部品の小型化でBGA 部品が一般的に使われるようになった。 BGA 部品のパッケージは、ボール間のピッチが1.27mmから1.0mm、0.8mm、0.5mmと年々狭くなり、さまざまな業界の製品で使われているFPGA の部品パッケージを調べたところ、図1のように小型製品向けの狭ピッチの部品パッケージが用意されていた。 従来、BGAパッケージ部品の実装は、はんだ不良が少ないといわれていたが、これは過去の話だったようである。実は、この数年間で不良基板が増え、お問い合わせいただく件数が増えている。JTAGテストを活用して、お客様の故障解析をサポートする中で気付いたことは、0.5mmピッチの狭ピッチBGAを使い始めると、極端に実装不良が増えることである。トラブルの症状はさまざまだが、試作基板だけではなく、量産基板でもBGAの実装トラブルが起こっており、深刻な状況になっている。 JTAGテストは、BGA 実装基板のテストの課題を解決するため、多くの国内企業や海外企業が製造現場で活用している。これまで当社では、10 社を超えるお客様にご協力いただき、JTAGテスト導入事例を発表してきたが、製造検査、製品の保守、故障解析が中心であった。 今回は、品質保証と製品の信頼性向上に焦点を当てて、HALT 試験装置とJTAGテストの概要、エスペック(株)の環境試験器とJTAGテストを複合した信頼性評価の事例を紹介する。皆さまの製品に使われているBGAパッケージ部品の信性を向上するための新たな取り組みを紹介する。2. エスペック(株)の紹介 エスペック(株)(図2)は、温度や湿度、圧力などさまざまな環境因子を人工的に再現する「環境試験器」を製造・販売しているメーカーであり、この分野における世界トップ企業である。 私たちの生活を支える電子機器や工業製品は、周囲の環境からさまざまな影響を受けている。例えば、温度や湿度、圧アンドールシステムサポート(株) / 谷口 正純、 エスペック(株) / 今堀 翔也HALTとJTAGテストを結合したBGA実装基板の品質保証のための新たな取り組み図1 FPGA部品 パッケージの小型化図2 エスペック(株) 本社(大阪市北区)