ブックタイトル実装技術7月号2020年特別編集版

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概要

実装技術7月号2020年特別編集版

18設計・解析・シミュレーション12   テクノロジートレンドと   設計のあるべき姿 いまの世の中は「デジタル化社会」と言われ、新しいテクノロジー、サービスやビジネスが次々と生まれ、社会の仕組み自体が大きく変わろうとしている。ICT(Informationand Communication Technology)、IoT(Internet ofThings)、CPS(Cyber-Physical System)、A(I ArtificialIntelligence)、5G(5th Generation:第5 世代移動通信システム)など高度な技術への注目が高まり、自動運転、スマートファクトリー、医療・健康などの製品やサービスを取り巻く環境も変化しており、“あらゆるシステムがつながっている製品”が期待されている。モノづくりを取り巻く環境も大きく変わりつつあり、製品開発は複雑性が増し、これまで以上に「エレキ」、「メカ」、「ソフト」などが複雑に関係しあう、ドメインを俯瞰することができるシステム設計が重要であり、それを実現するためのMBSE1()Model-Based Systems Engineering)やMBD(Model-Based Development)が望まれている(図1)。 昨年10月に行われた「Zuken InnovationWorld 2019 Yokohama」2)におけるMBSE関連セッションには172 社が参加。そのほとんどがMBSE導入の必要性を感じており、約50%が取り組みを進めるにあたっての課題を抱えているという。近年の製品開発は技術領域が爆発的に急増し、単一技術領域に閉じた従来のエンジニアリング手法では対応が困難であり、設計プロセスの革新が必須である。 単一プリント基板の回路設計であれば、最新技術を盛り込んだ設計ツール・環境を使わなくても可能である。しかし今後の回路設計はシステム回路設計であることが必要で、より上位のシステムと密に連携し、本来あるべきフロントローディングを実現する必要がある。また、その回路上で動作する制御ソフトウエアにも配慮した設計が必要となることが想定される。それを見越して回路図を機能ブロック化し、回路検証/性能評価・検証できるブロック設計(モジュラーデザイン3))が有効であり、試作数を最小限に抑えた設計が可能になると考える。   プリント基板設計における   MBSE/MBDとは 図研では、CR-80004)の開発コンセプトとして「電子機器のシステムレベル詳細設計、システムレベル検証、製造支援」を掲げており、MBSE/ MBDという考え方を意識して、上流から下流工程までシステム視点での設計やレビューが可能な革新的な次世代電子機器設計のための設計プラットフォームを実現している(図2)。 CR-8000は単一のプリント基板設計での優れたパフォーマンスだけでなく、複数枚の基板をコネクタやフレキシブルプリント配線板で接続した大規模な設計、LSIとパッケージ/プリシステム設計(MBSE/MBD)を見据えたモジュール化設計の検討とアディティブ・マニュファクチャリング技術の活用(株)図研 / 長谷川 清久図1 システム設計(MBSE/MBD)の概念図