ブックタイトル実装技術8月号2019年特別編集版

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概要

実装技術8月号2019年特別編集版

10 AI技術の1つ、ディープラーニングの導入により、短時間での検査データ作成及び、検査作業を実現した基板外観検査装置『Sherlock』シリーズについて紹介する。■ 3D基板外観検査装置 『 Sherlock-3D-1100S』(写真1) 12μmの分解能で部品高さを測定することで、2D 検査では困難だった100μm程度の部品浮き、ICリード浮き、はんだ量などの検査が可能。測定可能な高さは20mmと、大型の電解コンデンサから0402 サイズの角チップ抵抗まで、多様な実装部品検査に適する。また2Dの部品検査も同時に実行可能でありながら検査時間は2D 検査装置と同等の毎秒5000mm2と、M 型サイズの基板を20秒以下で検査可能。搬送可能な基板サイズは50×50mmから510×460mmとL 型基板まで対応し、大小様々な基板を検査できる。● 自動データ作成 基板検査用のデータ作成を自動化する「自動部品設定」機能を搭載し、部品種類ごとに適した検査データが“ボタンを押すだけ”で設定可能。これはディープラーニングの導入により部品サイズ違いや色の差に影響されず、適切に部品種類を分類できることから実現した機能。部品種類の分類後、部品の高さや色、部品やリードの位置、数量などを認識し適切な検査データが設定される。同機能によりユーザーは習熟度に関係なく短時間で検査データを作成できる。● 検査精度の向上 文字認識でもディープラーニングの威力が発揮されている。従来技術では、一部が消えかかっているかすれ文字(写真2)の認識率が非常に低く、認識させるためには検査対象文字ごとに2値化などの画像処理の設定が必要だった。機能改善の結果、ディープラーニングを用いてカスレ文字を事前学習させることで、学習させた文字だけで基板外観検査装置(株)レクザムなく未知のかすれ文字でも正しく認識させることに成功した。検査データ作成では、煩雑な画像処理設定が不要となり、作業者は文字位置を指定するだけで設定が完了するだけでなく、従来技術よりも高い検査精度を手に入れることができる。          <請求番号 H7004>■ フロー後基板外観検査装置 『 Sherlock-300R』 フロー面のはんだ検査に特化した裏面検査装置。撮像部を搬送路下側に搭載し、フロー後の基板はんだ面を見上げる状態で検査するため基板反転機は不要となる。基板サイズは330×250mmのM型基板まで対応し、検査速度は毎秒5000mm2と高速な検査を実現している(写真3)。●「画像を1クリック」基板の全面検査 検査データ作成作業を簡易にする「全面検査モード」を搭載している。同モードでは、検査対象の生基板を投入し、画面からランド部分を1ヶ所選択するだけでランドの色情報を取得し、基板全面のランド位置・大きさを自動判別して検査個所の登録を行う。登録されたランド位置での未はんだ・ブリッジ・ピン抜けを検査できるので検査データ作成に煩雑な操作が不要である。<請求番号 H7005>■ 基板レーザーマーキング装置 『 Watson QR-800』 CO2ハイパワーレーザを搭載し、バーコード、QRコード、データマトリックスの他、英数字、記号などを毎秒500mm の速度で印字(写真4)。基板サイズは50×50mm から330×250mm のM 型基板まで対応し、インラインにも導入できる。● トレーサビリティ 内蔵の検査用カメラでフィディシャルマークを事前登録することで、基板の挿入方向、表裏面を確認し、誤挿入による間違った位置への印字防止の他、印字後の品質チェックが実施される。また印字パターンは全保存の上、全ての刻印番号とパターンマッチングを実施しているため、特定基板で同じシリアル番号が検出された際には、アラームが発現する機能を備えている。                   <請求番号 H7006>PR写真1 『Sherlock-3D-1100S』(左)と、基板の3D 画像(右)写真4 『Watson QR-800』(左)と、基板の印字画像(右)写真2 かすれを含んだ文字写真3『Sherlock-300R』