ブックタイトル実装技術6月号2017年特別編集版

ページ
8/42

このページは 実装技術6月号2017年特別編集版 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

実装技術6月号2017年特別編集版

6■ 熱変形検査装置 『 HVI-8000-EC』 近年3D実装や2.5D実装などの技術を用いた新しいパッケージが実用化されてきており、パッケージの構造の複雑化が進んでいる。パッケージの構造が複雑になると構成材料それぞれの熱膨張率の違いから反りや残留応力が発生し、機械的信頼性不良の問題を引き起こす可能性が高くなってくる。このような背景から、半導体パッケージの熱に対する変形の特性を正しく評価できる装置(熱変形検査装置)の需要が年々高まっている。 東光高岳では、インラインバンプ高さ検査で標準的な計測手法となっている非走査共焦点法を用いた熱変形検査装置HVI-8000-ECを提供している。共焦点法の原理図と、共焦点法を2次元に拡張し高速化した非走査共焦点法の原理図を測することが可能である。大きい対象物であっても高い分解能で計測できるので、対象物上にバンプなどの微細部品が搭載されていてもデジタル解析処理によりその部品を避けて変形計測することが可能である。従来の熱変形検査装置において熱変形検査装置(株)東光高岳PRは事前に微細部品を人手で取り除くことが求められ、計測効率的にも計測信頼性的にも問題となっていた。図2に、高解像度のデータ群からバンプを避けて基板の変形を抽出する解析処理の様子を示す。 『HVI-8000-EC』のもう一つの大きな特徴として、対流方式の大型の加熱炉を備えていることが挙げられる。図3に対流方式加熱炉の模式図を示す。JEDECトレーサイズの大型の対象物を加熱することができるのに加え、対流方式であることから従来の熱変形検査装置において採用されている赤外線熱輻射方式と比べ、以下のような利点を有している。① リフロー炉と同一の加  熱方式② 対象物全体への均一な  加熱が可能③ 対象物材質の違いによ  る影響が少ない④ 対象物からの放出ガスによるカバー  ガラスへの汚損が少ない⑤ 同一方式で加熱および冷却が可能 氷点下を含む幅広い温度範囲での信頼性試験が必要な車載半導体分野での利用を想定して、-55℃までの冷却と220℃までの加熱を、対流方式による同じ条件でシームレスにかつプログマブルに、そして長時間にわたって実施することができるようになっている。図4に氷点下を含む温度範囲での熱変形計測の結果の一例を示す。         <請求番号 F7001>図1に示す。 共焦点法は、従来の熱変形検査装置で採用されている三角測量法のように照明光軸と結像光軸が分かれた二軸方式とは異なる一軸方式であり、対象物表面の微細凹凸により散乱する散乱反射光だけではなく、滑らかな表面で方向性を保って反射する正反射光も検出することができる。そのため従来の熱変形検査装置で問題となっていた対象物表面の塗装を不要としている。 また『HVI-8000-EC』は大型のXY移動ステージを搭載しており、JEDECトレーサイズ(323×136mm)までの対象物を、計測分解能(8μm/画素)を変えることなく計図1 共焦点法の原理図3 加熱炉構造図2 データ解析処理 図4 計測結果の例