ブックタイトル実装技術5月号2017年特別編集版

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概要

実装技術5月号2017年特別編集版

421. はじめに 近年、情報技術の飛躍的な進展により、先進国、新興国の垣根はなくなりつつあり、製造業はグローバルな競争環境への対応が求められている。具体的には、多様化する製品仕様に対して、短納期に低コストで高品質なグローバル生産体制を構築する必要がある。そのためには、マスカスタマイゼーションを可能にするスマートファクトリーの実現により、生産効率を最大化し、グローバルなスケールでサプライチェーンを最適化する必要がある。スマートファクトリーの実現に対しては、異なるベンダー間によるオープンイノベーションの創発が必須である。表面実装工程内での設備ベンダー間のM2M連携(※1)を通した自律化生産がその一例である。当社のような検査機メーカーの役割として、生産設備へのフィードバック、フィードフォワードを通した生産設備の最適化生産に加え、高品質な生産を担保する上で、はんだ接合検査を中心とした精度の高い検査能力が要求されている。さらに、近年のスマートフォンに代表されるように、電子機器の高機能化、小型化、薄型化の進展に伴い、電子部品や半導体パッケージの小型化、高機能化、高密度化が加速している。このような外部環境の変化により、今後0201サイズのセラミックコンデンサ、フリップチップBGA、PoP、WLP の採用が進展することで、より高い水準の検査能力が求められると考えられる。これらの部品は外観検査でははんだ接合の確認が不可能なケースが多く、代替する検査手法として、X 線検査が必要となる。さらに、市場ニーズの多いはんだボールのHead In Pillowやボイドの確実な検査を実行するには3D CT-X線検査が求められる。特に近年はグローバル競争の激化に伴う高品質要求の高まりにより、インラインにて3D CT-X 線の全数検査を行うニーズが拡大している。(※ 1 当社のM2M連携に関する特徴は実装技術2017年1月号の58ページ参照)2. 3D CT-X線自動検査装置BF-Xシリーズ X線検査技術にはラミノグラフィ、トモシンセシス、オブリークCT方式など様々な検査手法がある。しかしながら、量産現場で使用するには、検査速度と高度な検査はトレードオフの関係があることから、インラインで使用する際の用途は限定的であった。 このトレードオフの関係をブレークスルーする可能性の高い技術として、プラナーCT方式(図1)がある。プラナーCT方式は平面物体を少ないプロジェクション数で、高精度な検査に必須な高画質なCT画像の取得が可能である。ただし、CT演算量が多く、演算処理の高速化が課題である。 当社のX 線検査装置、BF-Xシリーズ(図2)はプラナーCT方式を採用し、CT 計算ソフトウェアを自社開発することで、高速かつ高精度な検査を実現している。さらに、プリント基板向けの密閉型X 線源(130kv)に加え、IGBTなどのパワーモジュールや半導体向けにハイパワー(225kv)、高解像度に対応した開放型X線源をラインアップすることで、X線検査市場(株)サキコーポレーション / 渡部 康夫量産ラインで全数3D CT-X線自動検査を実現する技術図1 プラナーCT方式概念図