ブックタイトル実装技術5月号2017年特別編集版

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概要

実装技術5月号2017年特別編集版

24環境関連技術 1  有機溶剤削減の経過 様々な分野で使用されている有機溶剤は、現在の化学工業において不可欠な存在であり、使用を完全に止めることは難しいのが現状である。光化学オキシダントをはじめとする環境問題改善と健康被害軽減のために、有機溶剤の排出量・使用量の削減は長年の課題となっている。近年では各業界における技術躍進と企業努力により、有機溶剤の使用量・大気排出量は大きく削減されてきている。洗浄分野においては総排出量の1 割ほどを占めているが同様に減少傾向にある(図1)。 取り扱いに関しても見直しが行われ多くの企業では安全対策や管理方法の改善がなされているが、いまだに健康被害や不法投棄などの事例があるのも事実であり(図2)、具体的事例として2012 年3 月に労災請求で発覚した、1.2-ジクロロプロパン・ジクロロメタンによる健康被害が報じられ、大きな社会問題となったのも記憶に新しい。 両物質は現在、「特定化学物質」としての取り扱いがなされている。 このように安全面や環境面の意識向上から有機溶剤を使用する環境は厳しくなっており、使用量に関しての見直しが不可欠となってきている。次項からは洗浄分野における有機溶剤削減のポイントと具体的な取り組み事例を紹介していきたい。   有機溶剤を取り巻く法令 日本では経済成長を皮切りに、公害が大きな社会問題となり環境保全の為の法律が施行された (図3)。代表格である大有機溶剤削減の実情 ?水系洗浄剤の可能性?ゼストロンジャパン(株) / 加納 裕也2図1図2 図3