ブックタイトル実装技術5月号2017年特別編集版

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概要

実装技術5月号2017年特別編集版

16環境関連技術 1  はじめに 産業革命が進展するにつれ、大気・水・土壌などを汚染し、環境を悪化させるに至った。日本でも製糸・紡績、製鉄、造船などの近代産業の発展が明治時代以降、進展に伴って様々な環境の悪化が伝えられるようになった。その後、特に戦後の高度成長時代は、重化学工業の進展もあり、公害問題も発生し、環境配慮の必要性を感じ取り、環境対策は重要な課題として取り組み、改善を図っていった。 急増する廃棄物対策も大きな課題であった。電気電子機器の廃棄問題の対策が欧州で議論されたのが1990 年代中頃で、多くの議論があり、結果的には廃棄指令(WEEE)と化学物質使用制限指令(RoHS)が2005 年と2006 年にそれぞれ施行されて10 年が経過した。 当時、環境問題についてさかんに議論し、多くの実装技術者までも環境問題を認識して対策し、欧州の電気・電子機器の廃棄問題対策からはじまった環境規制は「製品含有物質規制」であった。 特に規制物質の6物質の中で、「鉛」が対象となったために鉛を含有した「はんだ」が問題となった。そのため鉛フリーはんだの必要からも実装業界で大きな課題として浮上した背景がある。その後、RoHS指令が施行されてから1年後の2007 年にすべての物質を対象としたREACH規則が欧州で施行された。 対策をとって10年が経過し、環境問題も当時と比較すると下火となり、ややもすると環境問題の背景を含めて忘れられるような事態となってきた。 ここで環境規制に関する基本など初心者にも分かるように過去の経緯を体系化し、今後、進展する環境規制の方向性を探るために『Environment 4.0』として紹介する。   環境対応経緯 環境問題を時系列に体系化して紹介を試みたい。以前に電子機器業界における環境の潮流について「第一波」?「第三波」と表現して紹介したり、さらに環境対応の違いによる区分として、「社会環境時代」「現場環境時代」「製品環境時代」などとして紹介したりして、ある程度、区分化して紹介していた1)?2)。 今回、これらを包含して対応ごとの区切りにして、Environment 1.0(?1970年)、Environment 2.0(1971?1990年)、 Environment 3.0(1991?2015年)に再分類して過去の環境対応として、その時期にどのように対応していたかを明らかにし、そして、これから重要なEnvironment4.0(2016 年?)について鳥瞰してみたい。環境問題とその解決に対してどのように取り組み、実施したかの参考にしていただければと思い、表1にまとめた。1. Environment 1.0(?1970年) 環境問題が提起されていろいろと対応してきた。その解決のために規制が策定されて実際に規制もはじまった。 日本では、出雲地方の砂鉄採集に伴う被害が江戸時代の17世紀に発生しており、19世紀中期の明治時代となると、製糸・紡績、製鉄、造船などの急激な近代産業の発展とともに公害問題が発生した。当時の主要工業のエネルギー源は石炭であり、すでに大阪、九州・八幡等の工業都市において石炭Environment 4.0とは?特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部 / 青木 正光2表1 Environment X.0の推移