ブックタイトル実装技術3月号2017年特別編集版

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概要

実装技術3月号2017年特別編集版

16プリント配線板技術 1  はじめに フレキシブルプリント基板(以下、FPC)は、高密度配線・一括接続・柔軟性・軽薄性に優れており、現在スマートフォンをはじめ特に電子機器内の省スペース化配線材や可動部配線材、基板として幅広い分野に使用されている。 そして近年、照明や車載用部品、各種産業機器などの高温環境下で使用される機器についても高密度化や省スペース化が進んでいる。このような機器においても配線材としてFPCの活用が期待されているが、従来のFPCでは通常使用する温度の上限は100℃程度で、多様化するニーズに対応仕切れていない課題をもっていた。  このようなニーズに対して高温環境下でも使用可能な耐熱FPCの開発を行った。   FPCについて 一般的なFPCは熱に強く柔軟なポリイミドフィルムに銅箔を貼付、回路を形成し、被覆材で導体を絶縁被覆した構造をもつ。 被覆材は、同じくポリイミドフィルムに接着剤の樹脂を塗布したカバーレイが一般的である(図1)。 また、FPCでも高密度実装部には、リジッド基板と同様に被覆材としてレジストインク(※ 1)を印刷・塗布することで絶縁被覆する構造もとれる。 軽薄性と柔軟性が高いFPCは、配線部を曲げることにより立体配線も可能であり、電子機器の実装スペースに余裕がない筐体部内で効率的な配線をするための配線材として使用されている(写真1)。(※ 1)レジストインク:プリント基板の回路パターンを絶縁保護するインク。耐折・屈曲性能はカバーレイには及ばないが、印刷加工により塗布部、非塗布部を細かく形成できるため、FPCにおいても高密度部品実装部に多く使われる。   一般FPCの耐熱性 一般的なFPCは、ポリイミドフィルムをはじめ熱に強い材料から構成されているため、たとえば、リフロー実装等高温にさらされても、短時間であるならば、信頼性にまったく問題ない。 いっぽう、高温に長時間晒されると絶縁耐熱FPC沖電線(株) / 岩崎 とも子23写真1 フレキシブル配線基板図1 一般的なFPCの構造