ブックタイトル実装技術1月号2017年特別編集版

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概要

実装技術1月号2017年特別編集版

42はんだ関連技術 1  はじめに 電子実装回路の高密度化、高信頼化はとどまることなく、いっぽうで環境規制もより強化されている。 このような中、はんだ付実装後のフラックス洗浄は、フラックス残渣の難洗浄化、環境規制による化学品の制約などにより、非常に困難な課題となっている。この課題解決には、洗浄剤だけでなく洗浄装置も含めたトータルの洗浄プロセスを構築する必要がある。 本稿では、難洗浄化の背景、環境と洗浄力を両立したフラックス洗浄剤、及び洗浄品質確保の鍵となる洗浄剤の蒸留再生プロセスに絞り、解説する。   難洗浄化するフラックス残渣1. フラックス残渣 フラックス洗浄の困難さは、はんだ付け後のフラックス残渣が、高温下で生じる様々な化学反応の生成物で構成されていることに起因する。ロジン系フラックスの場合、はんだのぬれ性を確保するために必要な酸化金属の還元反応の他にも、ベースとなるロジン系の樹脂成分の脱水、重合、付加反応が生じて樹脂が変性したり、はんだ付け条件によっては高温下で有機成分の炭化(焦げ付き)が起こる。これらの反応生成物の他、はんだペースト中にはチキソ剤として、溶解性の低い長鎖の脂肪酸エステルや脂肪酸アミド、ワックス成分などが添加されていることが多く、洗浄をより困難にしている(図1)。 また、はんだ付け後のフラックス残渣中には、還元反応によって生じる金属のハロゲン化塩、未反応の活性剤(有機酸やハロゲン化水素酸)などの極性成分と、樹脂成分やチキソ剤などの非極性成分が混在しており、炭化水素系やハロゲン系など単一成分の洗浄剤では十分な洗浄性を確保できない状態となっている。2. はんだの鉛フリー化 2000 年以降のはんだの鉛フリー化により、以前から使わ高信頼性を要求される電子デバイスに最適なはんだフラックス洗浄技術化研テック(株) / 神保 拓郎2図1 はんだペーストとフラックス残渣の構成成分