ブックタイトル実装技術7月号2016年特別編集版

ページ
21/30

このページは 実装技術7月号2016年特別編集版 の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

実装技術7月号2016年特別編集版

35今さら文句を言っても仕方がなく、それはそのような名称として理解するしかない。であるため、言葉が重要なのではなく、その言葉が示す意味合いのほうを重要視することが本意といえよう。 ここでは吐出量は「霧化量」というイメージで認識しておいていただくとして、解説を行う。 図1 のように、ある圧力に対してフラックスを霧化する量が適正でない場合、フラックスが多く塗布される部分と、IPA が多く塗布される部分とに別れてしまう。このことが以前解説した、定点塗布検証の際に形状として現れた、内径と外径の差なのである。 ある圧力に対する霧化量の設定が適切である場合、フラックスと IPA がちょうど良い加減に混ざりあい、定点塗布した形状は、内径と外径の差がほとんどなくなる(図2)。 これは以前にも解説したことであり、繰り返しの説明となってしまうのだが、このような状態を確認するには、いきなりノズルをスキャンさせて検証するよりも、定点で塗布を行って検証を行う方が、結果の判定がしやすいと思われる。3. フラックス塗布量の最適化 前回と合わせて前章までの解説で、フラックス塗布量の最適化を行うための下準備がすべて整った。すなわち…… ①フラックスの霧化量を適切にすること(塗布圧力と吐出量  または霧化量) ②フラックスノズルのスキャンスピードの設定 ③コンベア速度に対するスキャンスピードの考え方 ④ノズルのオーバーシュート量の設定方法 これらの準備が整った段階で、初めて全体的に寄与する「フラックス流量」の設定を行うことにより、基板に対するフラックス塗布量の最適化が行えるというわけである。それではその具体的な設定方法を解説していくこととする。 あらゆる検証においてもっとも重要となることは、「特性値を何にするか?」と「判定基準をどうするか?」の2点になる。今回解説するフラックス塗布量の最適化においても同様である。 フラックス塗布に関しては、判定タイミングが二つある。表1を参照いただきたい。 一つ目の判定タイミングは、「フラックス塗布直後」である。基板全体に塗布できていないような、塗布条件は適正であるといえない。 ですので、今回は基板全体に100%塗布できている状態を、判定基準として「○」と設定した。 次に、おおよそ基板全体に塗布できているものの、100%とはいいきれない塗布状態を、判定基準として「△」と設定した。 最後に基板全体のほとんどに塗布できていない状態を、判定基準として「×」と設定した。 ここまでの判定基準は、フラックスを基板に塗布した直後に判定することが可能である。 二つ目の判定タイミングは、「予備加熱終了後」である。フローはんだにおいて予熱区間が終了すると、すぐさまディップされることになる。この時にフラックス中のIPA が、すべて揮発していないとフラックスが液体のまま 「はんだ浴」の中にディップされることになるので、フラックスを塗布したにもかかわらず、はんだの噴流によってフラックスが流されてしまう。つまり、予熱終了後はフラックス中のIPA は揮発しておいて表1塗布状態の判定基準はこの表のように決定する