ブックタイトル実装技術7月号2016年特別編集版

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概要

実装技術7月号2016年特別編集版

24設計・解析・シミュレーション 1  はじめに 「JTAGテストは準備が大変!」というイメージが根強く残っている。実は5 年以上前にテキストエディタでプログラムを作成していた大変だった時代は終わり、18万種類を超える部品ライブラリからテストパターンが自動生成される時代になった。新しいJTAGテスト統合環境「JTAG ProVision」の誕生により、JTAGテスト(バウンダリスキャンテスト)を採用する企業が急速に増えている。 さらに、高密度化する基板の中で最近主流となっている部品として、ARMプロセッサを内蔵したFPGAやマルチコアのARMプロセッサなどのBGAパッケージ部品の存在がJTAGテストを採用する後押しになっている。これらの部品には、すでにJTAGテスト用の機能が内蔵されており、JTAGテスト対応部品からDDR3メモリ、eMMC(Embedded MultiMedia Card)を含む周辺回路を電気的にコントロールして、周辺回路の実装状態もテストすることができる。そのため、CPUやFPGAが1チップしか搭載されていない基板ではJTAGテストは効果が少ないと誤解されることがあるが、実は1チップの基板においても有効な検査手法となる。   JTAGテストによる   「基板検査の明るい未来」 JTAGテスト(バウンダリスキャンテスト)は、1990 年にJTAG(Joint Test Action Group)が、IEEE1149.1規格として検査手法を定めた。当時はBGAパッケージが誕生したばかりで、市場には普及していなかったが、将来の高密度実装基板で普及するであろうBGAパッケージの実装検査手法として誕生したテスト規格である。 当社は、国内におけるJTAGテストのリーディングカンパニーとして、テスト規格の普及と技術情報の提供を進めてきた。1994 年には本邦初のJTAGテスト手法をご紹介するフォーラムにおいて、当社がJTAGテストツールの講演を行った(図1)。また、JTAG Technologies社よりテクニカルディレクターであったPeter vanden Eijnden氏(現在の社長)が来日して、最先端のテスト規格を解説した。本フォーラムのキーワードは「基板テストの世界が変わる」となっており、本文には「半導体メーカーから提供されるデバイスにはDFT(テスト容易化設計)に基づく(JTAGテスト用の)標準回路内蔵の製品が続々と提供されてきている。」との記載があった。当時を振り返ると、JTAGテストの機能を搭載した半導体が市場に出始めた頃であった。しかし、現在では、JTAGテストの普及に伴いJTAGテストの機能を搭載した半導体が標準的になっている。JTAGテストJTAGテストの効果を最大化するテスト容易化設計 DFTアンドールシステムサポート(株) / 谷口 正純2図1 本邦初のJTAG/IEEE1149.1を紹介したJASAフォーラム