ブックタイトル実装技術7月号2016年特別編集版

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概要

実装技術7月号2016年特別編集版

12設計・解析・シミュレーション 1  はじめに プリント基板(PCB)上のデジタル回路は、信号周波数の高速化と並行して信号振幅(電圧幅)が小さくなる方向で進化し続けてきた。最近ではさらなるブレークスルーとして、2 値のデジタル信号から4 値のデジタル信号に替えることでより多くの情報を伝送する方法も開発され、製品開発に使われはじめている(図1)。 信号電圧を抑えつつノイズ耐性を高めるために、SerDesのみならずDDRメモリにも差動信号が多用されるようになった。差動信号が性能を発揮するには、ポジ側とネガ側の位相が正確に180 度ずれていることが重要だが、途中配置するビアホールやACカプリングコンデンサ領域における対称性、さらには差動インピーダンスの乱れについても厳密に制御していく必要がある(図2)。 多くの場合、シミュレーション精度と計算時間はトレードオフの関係にある。たとえば、チャネルを3 次元でモデル化し、両端にSPICEモデルをつけて十分な長さのビットストリームのシミュレーションを行う場合、計算時間は何日という単位に容易に跳ね上がる。3次元モデルは構造がきわめて複雑で、多くのノード数が必要とされる。そのため、計算資源となるメモリ空間内において現実的な時間で解を得るには、モデル化する空間と精度を必要最小限にする工夫も必要だ。 このような技術トレンドに対して、メンター・グラフィックスは、既存技術の延長線上の進化からは一線を画した革新的な提案をしている。以下、順に説明していきたい。信号の高速化とそれに対応するシミュレーション― 検証技術のトレンド ―メンター・グラフィックス・コーポレーション / 石川 実図2 代表的な差動信号チャネルの構成図1 従来の2値信号(NRZ)と4値信号(PAM-4)の違い