ブックタイトル実装技術4月号2016年特別編集版

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概要

実装技術4月号2016年特別編集版

12実装工程に貢献する製品・技術 1  スマホの実装に   多数の微細ねじが使用されている 高密度実装技術に携わる技術者にとって、最新スマートフォンの実装技術には興味がつきないであろう。PCに代わり今は巨大な市場を形成しているスマホの内部には、究極の超高密度実装技術が使われている。進化の潮流を感じるのは、1枚のプリント基板に多くの部品をぎっしり詰め込むのではなく、機能ごとにまとめられた基板を、コネクタやフレキ基板で接続するモジュール構造に移行していることである。  スマホの使い勝手を含むデザイン重視の市場の要請により、決して自動化を考えた設計とは思えないが、その代わりにスマホの内部には隙間がほとんどない究極の3次元実装が実現できている。 各種の部品やコネクタ、バッテリ、カメラユニットなど機能モジュールを締結するために多数の微細なねじが使われていることに驚く。 スマホが時代とともにより軽く薄く進化するにつれ、当然のことだが、ねじの直径も小さく、長さも短い微細なねじが使用されている。 現状の組み立てラインには、多くの作業員がねじ締め工程に従事しているが、もはや微細なねじを人間が電動ドライバを手に持って締めることは、能力的にも品質管理上でも限界になりつつある。  本稿では、こうした現状からロボットに電動ドライバを搭載して自動化に移行するニーズを探り、その問題点と解決策、および今後の展開について考えてみたい。   ロボット化に求められる   電動ドライバの基本機能とは ねじを締めるには、ねじを吸着し、電動ドライバのビットをねじの十字穴に嵌合させ、ねじ穴にまっすぐに挿入して所定のトルクに達するまでドライバビットを回す。 簡単なようだが、ねじを締めるにはそれなりのスキルが必要で、そのスキルをロボットが代替しなければならない。人の代わりに電動ドライバをロボットに搭載すれば自動化ができるように思うが、自動化は簡単には成功しない。 人はロボットと違い大変器用であり、両手が使え、目視、触覚、聴覚など五感を使ってねじ締め工程を担うがゆえに、生産ラインには多くの作業者が活躍している。 ロボットがその機能を代替するのは容易ではない。■求められる基本的な機能①ねじ供給機から供給されるねじを確実にまっすぐに真空吸 着させる機能をもつこと②ねじの十字穴にビットを素早く嵌合させること③ねじを所定の回数まで回す設定機能があること (ねじの長さとリードピッチにより決まる)④ねじ締めトルクが数値で設定できること⑤ねじ締めの異常を検知できること (所定の回数を回す前にトルクアップする、あるいはねじ空 転の検知)⑥ねじ締めの開始、終了、異常検知などロボットとの通信が可 能であること⑦ロボットの可搬重量に有利な軽量小型であること⑧消耗が激しいビットの交換がしやすいこと⑨締め付けトルクのばらつきが少ないこと⑩ビットの耐久性が高いこと   従来の電動ドライバを   ロボット搭載用として使う場合の   問題点 一般の電動ドライバは、DCモータを高速回転させ、減速ギヤで回転を落としてトルク不足を補いビットを駆動させており、一般にねじ締め開始から終了までモータの速度は可変できない。ロボットによる微細ねじ締めの自動化(株)バンガードシステムズ / 池野 成雄2