ブックタイトル実装技術11月号2015年特別編集版

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概要

実装技術11月号2015年特別編集版

341. はじめに いろいろなビジネスを展開するにあたって、ある時は壁にぶつかって立ち往生する場合も起こりうる。大切なのは、そのような問題に直面した時にどのように解決するかにある。「問題」とは「期待」と「現状」の差であり、それをいかに期待値まで近づけるかにある。 その問題解決法には、長年の経験(Keiken)と研ぎ澄まされた勘(Kan)、そしてとにかくヤマカンでやってみようという思い切る度胸(Dokyo)のいわゆるKKDで解決する手法が日本では長い間、実践されていた。 しかし、このような古典的な手法から一歩進めて科学的な手法を用いた方法も存在する。直面する問題をいかに的確につかみ、かつ、効率よく解決するかにある。 問題解決の技法を習得することよって業務を円滑に展開することは重要である。今回のお役立ち情報は、問題解決のために開発された「ツール活用技法」について紹介する。2. 企業内教育 企業に入るとまず、創業理念、創業者の哲学、経営のあり方などについて説明を受けるのではないかと思う。場合によっては、現経営者のトップの講話のみならず懇談、先輩やチューターなどからの基本的な話を受けるかもしれない。企業内教育は主に、次のような内容で実施されているのが一般的ではないかと思う1)。 ① 経営理念に関する事項 ② 技術水準の向上に関する事項 ③ 職場の活性化に関する事項 ④ 問題解決の手法に関する事項 ⑤ グローバル化対応に関する事項  ( IT、語学、発表能力、文章表現力……) 入社直後に実施される導入教育のみならず技術者の水準向上のために入社数年後には技術者教育などが用意されている企業もある。その企業にとって必要と思われるレベルアップのための教育に主眼をおいたものである。なかには、宿泊して研修方式で実施する場合もある。数多くある教育関係の中で、今回、問題解決に役立つ手法にポイントにおいて紹介する。3. ツール活用技法の導入 ものづくりの世界で、重要なのは、QCDといわれ、Qは品質のQuality、CはコストのCost、Dは納期のDeliveryを、それぞれ示し、その頭文字から由来している。最近はQCDに、さらに安全のSafety のSと環境のEnvironment のEが加わり、QCD+S/Eともいわれ、ものづくりの各企業はスローガンを掲げて日夜、努力している。このスローガンにおいて、Qが先頭にきており、これは、品質がまず大事であることを示すものである。 ものを作ってもすぐ壊れるような品質では問題である。特に日本が輸出で外貨を稼ぐことで多くの製品を輸出していたものの戦後の間もない頃の製品は「安かろう悪かろう」のイメージで日本製品は問題となった2)。 品質の高い製品を作るために、表1に示すように戦後、品質向上の様々な試みが実施された。そして、1950年代に米国から品質改善のためにデミング博士やジュラン博士を招聘して、品質に対する考え方から仕組みに至るまでの基礎知識取得に努力した。その後、日本に創造的問題解決の理論や技法なども導入された。 戦後の大きなものづくりの流れとして1950 ?1960年代は「生産者指向の品質」(作れば売れる時代)で、そして1970?1980年代は「消費者指向の品質」(消費者が選択する時代)となり、1990 年代以降は、「社会性指向の時代」(社会に害になる物は避ける環境保全の時代へ)へと進展してきた。特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部 / 青木 正光実装技術初心者のための『パスポート』  ?知のインプット/アウトプットのこつ?第14回「ツール活用技法」とは?