ブックタイトル実装技術9月号2015年特別編集版

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概要

実装技術9月号2015年特別編集版

20部品搭載技術 1  はじめに 近年のSMT関連装置における高速化・高精度化・多機能化の進展は目を見張るものがある。マウンタの1 ヘッドあたりの搭載速度は35,000CPHを超えてきており、SPIやAOIは3Dが主流になっている。その結果、SMTラインにおける生産能力は大幅に向上し、工程品質はシングルPPMが珍しくない状況になってきている。しかしながらSMT生産現場に対する要求は年々複雑さと多様さを増してきており、単純な設備能力の向上のみでは課題克服が難しい状況にある。 本稿ではSMT生産現場における代表的な課題とそれに対応するためのソリューション事例について紹介する。   SMT生産現場の課題と   ソリューション事例1. 極小部品にて吸着不良が多発し、  その結果、搭載精度が不安定になる。  →『吸着MACS』 現状量産レベルで搭載されている最小部品は0402(0.4×0.2mm)であり、スマートフォンに実装されるモジュール基板などでの採用が増加している。またここ数年コストダウンを目的として車載製品において0603(0.6×0.3mm)が採用されるケースも散見される。これら極小部品を搭載する上で最も重要となるのが、部品の中心で安定した吸着を行うことである。 写真1は0603を部品中心で正常吸着した際の実装状態であり、写真2は故意に0.15mmずらして吸着させた際の実装状態である。部品のセンターから外れた位置で吸着を行うと搭載後に回転ずれ・傾きなどが発生し精度が悪化するのがわかる。いっぽう、吸着位置精度に影響する項目はフィーダ、一括交換台車、XY軸の熱伸びやノズルの偏心など多岐にわたる。特に0402以下の極小部品では機械的な精度の追い込みだけでは安定してセンターを吸着するのは至難の業となっている。 そこで当社では、画像認識技術によりスキルレスで部品中心とノズル中心を高精度に位置合わせ可能な『吸着MACS(マックス)』を開発・リリースし、上記課題に対応している。写真3は0402部品にて吸着MACS補正前・補正後を比較したものであり、精度良く補正されているのがわかる。この吸着MACS機能を採用することで03015や0201 などの次世代部品においても安定した搭載精度が確保できており(図1)、多くの顧客から好評をいただいている。SMT生産現場における課題とソリューション事例ヤマハ発動機(株) / 川井 建三2写真1 吸着位置ずれなしでの実装状態写真2 吸着位置ずれありでの実装状態