ブックタイトル実装技術7月号2015年特別編集版

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概要

実装技術7月号2015年特別編集版

37造標準書の作成が必要である。 銅張積層板ができあがると当然ながら、その銅張積層板の特性値を決める必要がある。量産段階になれば、コスト計算の基礎資料も集めることも最後に残る。製造上、条件を決めるために作業損として発生する量が新たに開発した製品が、どの程度、発生するかの確認が必要である。製造しやすければ、当然、歩留はよくなる。 企業内には図1に示すような各種の仕様書が存在し、開発から量産までの一連の標準化活動がこのようにして企業の社内で実施されて製品ができあがる。 以上、企業内では当たり前のように標準化活動が実施されており、企業によっては年に1~2度、標準化大会などを開催して、事業所、工場ごとの活動状況を共有する仕組みも存在する。 また、社内標準化で重要なのは「1 年経ったら見直せ」、「3年経ったら改定せよ」、「5年経ったら作り直せ」との格言がある。古い標準類の棚卸をして見直すことも重要な標準化活動の一つであることも忘れてはならない。 以上、1 人の若手技術者が企業内で、どのように標準化をするかを簡単に紹介したが、それでは、次に、標準化に関する基礎知識について紹介する。3. 標準化の基礎知識 標準化のルーツともいえる、しきたり、暦、木割書など、そして、互換性を配慮したものづくり、業界で使用されたものがデファクト・スタンダードになった例などについて、以下、紹介する。1. 標準化のルーツとその必要性 古代人が集落を作って社会生活を営む上で「しきたり」を作ったのが標準化の始まりともいわれる。そして5,000 年前には、「弓のつる」と「 矢」が合わないと使用できないことに気づき、古代人は、互換性のある「弓のつる」と「矢」を作ることを認識した。 ローマ皇帝のカエサルは、「暦」と「貨幣」の「標準化」を実施した人物で、これは人類最大の標準化ともいわれている。 カエサル以前にローマ人が用いていた暦は1 年を355日とする太陰暦であり、実際の季節とのずれを数年に一度、1ヶ月ずつ増やすという形で解決してきた。 カエサルが暦の改定を決意したのは、そのずれの問題というよりは、「正確な暦さえ作れば、ローマ世界のどこでも受け入れられ、それによって生活のリズムも共通になると考えた」からである。 1582 年、グレゴリウス13 世が、ユリウス暦を改定し、グレゴリウス暦を制定している。 日本では、1688~1703 年(元禄)、弁財船(べざいせん)はむしろの帆から木綿の帆に改良した。この改良により漕ぎ手を不要となった。さらに船を造るのに「木割書」があり、標準化され統一規格となった。統一規格のお蔭で、船の修理はどの港でも可能となったという。 18 世紀後半にイギリスでの産業革命と共に標準化をはじまった。そして 19世紀になって日本には欧米より約 100年遅れて産業革命が起こった。1875 年、メートル条約により「メートル文化」が開花した。 1891年、国際度量衡法が制定され、日本では、1951年、日本の計量法を制定し、尺貫法からメートル法を採用した。 さて、近代兵器を使い始めた軍は、修理の効率化を求めて兵器部品の規格を統一させた。これが制度による標準化=デジュール・スタンダード(de jure standard)のはじまり図1 企業内で存在する各種の仕様書の例 であった。