ブックタイトル実装技術10月号2014年特別編集版

ページ
22/30

このページは 実装技術10月号2014年特別編集版 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

実装技術10月号2014年特別編集版

441. 最先端CMOSLSIの状況 CMOSLSI の微細化は、28nm あたりが限界という意見もあったが、実際には、今年、14nmが生産され、10nmや7nmの開発も行われて、まだまだ限界は見えていない。しかしMOSが微細化されるといろいろな不都合が発生する。もっとも重要な問題は、駆動電流が十分に取れないことであろう。駆動電流は、         mW       ID= ───── μCox(VG-VTH)L   m:定数、L:ゲート長、W:ゲート幅、μ:電子、正孔の移動度、   Cox:酸化膜容量、VG:ゲート電圧、VTH:閾値電圧で表され、微細化によりμが下がるとIDも減少する。そこで、FinFET(TriGate)は図1 左のようにゲート幅を大きくして電流を増やしている。μを大きくするには、電子移動度が大きいGaAsなどのⅢ-V 族をNMOSに、正孔移動度が大きいGeをPMOSに使う案が検討されて、図1 下の構造が理想であるが実現は困難である。図1右のSOIもSiやBOX(BurriedOxide)を超薄膜化して微細化対応が検討されている。 微細化が進むとノイズが目立ってきて、その低減も重要である。たとえばゲート絶縁膜中に電子がトラップされて閾値電圧(VTH)が変動する現象や、チャネル内の不純物の原子数が10 個程度になって、原子1個の有無が10 %のばらつきになってしまう。これらは従来からある問題であるが、微細化によって障害が現れてきたといえる。 グラフェンやカーボンナノチューブのようなカーボン系の材料は、移動度が高いのですぐれたトランジスタ特性が期待され、多くの研究発表があるが、量産という点ではまだまだ製造技術が未熟なので、本レポートでは取り上げない。2. FinFETか、SOIか 従来のPlanar MOSが微細化されると、基板内部での電界制御が困難で短チャネル効果が顕著になり、この解決のためFinFETが実用化された。一方、SOIは、もともとバルクMOSに比べて高周波特性がすぐれているが、Siが薄膜化されると短チャネル効果にも対処でき、さらに基板バイアスによってVTH の制御が可能なので電源電圧を下げることができて省電力化の有力なデバイスとなっている。●シリコン・トライゲート・ナノワイア・ トランジスタにおける低周波ノイズの チャネルサイズ依存性 <発表者:東芝 研究開発センター> 図2 左のようなチャネルがナノワイアとワイドの場合のFinFETを比較すると、チャネルの幅厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫『第61回 応用物理学会春季学術講演会』レポートその④ 微細化CMOS LSI図1 FinFET、SOTB、Ⅲ-V/Geの構造