ブックタイトル実装技術8月号2014年特別編集版

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概要

実装技術8月号2014年特別編集版

39めっき皮膜の膜厚は0.3μm、1.5μm、5.0μmとし、置換Auめっき皮膜の膜厚は0.03μmとした。また、ENEPIGプロセスにおいて無電解Pdめっき皮膜の膜厚は0.05μmとした。めっき処理直後の試験基板をめっき直後の試料とし、めっき処理済み試験基板を恒温恒湿(85℃、85RH%)下に96 時間放置したものを恒温恒湿試験後の試料とした。2.評価方法 まず、Ni層薄化時のパターン追従性を確認するため、銅配線間が30μmのスペースで形成されたテスト基板に無電解Ni/Pd/Auめっき処理をし、めっき滲みだしの有無を調べた。 めっき直後および恒温恒湿試験後の試料のAuワイヤボンディングプル強度および破断モードを評価した。Auワイヤボンディング条件およびプル試験条件を表2に示す。破壊モードの判定は、ワイヤ上で破断した場合をOK モード、Au めっき表面とボンディング部の間で剥離した場合をNGモードとした。 はんだボールプル試験を行うことにより、めっき直後のはんだ接合性を評価した。はんだボール実装条件およびプル試験条件を表3に示す。破壊モードの判定は、はんだ破壊をOKモード、界面破壊をNGモードとした。3. 結果と考察1.パターン追従性評価結果 図1にNi 厚みを従来厚み程度である3μm、Ni 薄化時である0.3μmとした場合のテスト基板配線パターン部の光学顕微鏡写真を示す。同図から明らかなように、従来Ni 厚みではめっきの滲みだしが確認できる一方、Ni厚み0.3μmとした場合では滲みだしは見られない。このことから、Ni層薄化によって良好なパターン追従性が得られることがわかる。2.Auワイヤボンディング性評価 図2、図3にワイヤボンディングプル試験の結果を示す。めっき直後(図2)において、ENIGプロセスではNi 層の薄化に伴ってNGモードが増加するのに対し、ENEPIGプロセスではNG モードの発生は認められなかった。したがって、Ni層の薄化とともにENIGプロセスではワイヤボンディング性が低下する一方で、ENEPIGプロセスではワイヤボンディング性は低下しなかった。さらに、恒温恒湿試験後(図3)では、ENIGプロセスではNi 層の厚さによらずワイヤが未着となった。ENEPIGプロセスではワイヤの未着は発生しないものの、Ni 層の薄化に伴ってNGモードが増加していることがわかる。ENIGプロセスでワイヤが未着となった原因としては、NiがAu表面に拡散することで、AuワイヤとAuめっき皮膜表面でのAu-Au 結合が阻害されたためであると考えられる2)。また、ENEPIGプロセスではNi 層の薄化とともに、下地Cu のAu 表面に対する拡散防止効果が低下したためにNGモードが増加したと考えられる。図2 ワイヤボンディングプル試験結果(めっき直後) 図3 ワイヤボンディングプル試験結果(恒温恒湿試験後)図1 従来Ni厚およびNi薄化時のパターン追従性