ブックタイトル実装技術8月号2014年特別編集版

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概要

実装技術8月号2014年特別編集版

22はんだ接合技術12   はじめに 近年、環境意識向上や原油価格高騰を背景にして、自動車市場では燃費の高いハイブリッド車(HV)の需要が伸び、さらに電気自動車(EV)への期待も高まっている。 HVやEVのインバータ(モータ駆動用など)で使用される車載用パワーデバイスは、温度や振動などの環境条件が厳しいことから高い信頼性が求められるが、信頼性を大きく左右するはんだ実装においては、ボイドの発生による電気性能や伝熱性能の低下を防ぐために、ボイドレス化が必須となっている。 以前から、真空を利用してボイドの発生を低減するはんだ付け装置が提案されているものの、既存のプロセスと装置では絶縁破壊の原因となるはんだの飛散を伴いやすく、ボイドとはんだ飛散を同時に低減することは、原理上、難しかった。 今回、当社は、低い温度から還元効果が得られるギ酸を使用することで金属表面の酸化膜を確実に取り除きつつ、真空中ではんだを溶かした後に大気圧へ戻してボイドを究極まで圧縮するという、新たなプロセス技術の確立によって上記難題を解決。一方、ギ酸の使用については、腐食性が高く危険物でもあることから、ギ酸を安全に運用できる装置内クローズド処理を開発した。そして、これらのプロセスと装備を搭載したコンパクトなはんだ付け装置として真空ソルダリングシステム『VS2』を製品化した。 はんだのぬれ広がりが問題となる鉛フリーはんだや、はんだ実装の難易度が増す薄型ウエハ、さらにはSiCなどの次世代デバイスにおいても、ボイドレスではんだ飛散のない高品位なはんだ付けを実現するシステムとなっている。   ギ酸還元と圧縮法1.ギ酸による表面酸化膜の除去 金属表面に存在する酸化膜を取り除くことが、はんだ実装におけるボイドレス化の大前提となる。後工程での洗浄を必要としないフラックスフリーのはんだ材料を用いる際には、フラックスの代わりに水素の還元効果を利用して酸化膜を除去する方法が一般的であるが、水素の還元効果は必ずしも十分とはいえない。そこで、当社では水素より低い温度から還元効果が得られるギ酸を採用している。 図1 に、ギ酸及び水素によってすずの酸化膜を除去した場合の、還元温度とすず酸化膜の還元速度との関係をエリプソメータで測定した結果を示す。ギ酸がT0℃で還元が始まり、温度が上がるのに従って還元速度が増加するのに対して、水素は同じ測定温度範囲において還元効果が認めギ酸還元と圧縮法によりボイドレスを実現する真空ソルダリングシステム図1 還元温度と還元速度の関係図2 はんだぬれ性の比較オリジン電気(株) / 松本豊、 黒田正己、 小澤直人、 鈴木隆之Reduction rate(nm/sec)ギ酸Formic acid水素還元ギ酸還元水素HydrogenReduction temperature(℃)半田プリフォーム:SnAg基板:Cu+ Niメッキ還元速度(nm/sec)還元温度(℃)