ブックタイトル実装技術3月号2014年特別編集版

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概要

実装技術3月号2014年特別編集版

29られている)。 密着露光に代わって、一般的なのがステッパである。ステッパで露光される原理を図3 に示す。ウエハに焼き付けるべきパターンの4倍のパターンのマスクを用い、レンズ系で1/4 に縮小して露光される。マスクはレチクル(Reticle)とも呼ばれる。露光される面積は、26 × 33mm程度であるから、ウエハ全面を露光するには図のように端から順にウエハを送っていくStep and Repeatを行うので、略してStepper と呼んでいる。2. 解像度と焦点深度を表すレーリーの式 ステッパを用いて微細化を進めるには、図4に示したレーリーの式が指導原理となっている。すなわち、露光波長を短波長にし、大きなレンズを用いて開口数(NA)を大きくし、比例係数のk1 を小さくすればよい。 ただし、NAを大きくすると焦点深度も小さくなって対策が必要となる。 露光波長については、高圧水銀灯の輝線のg線(波長485nm)→ i 線(365nm)→ KrF エキシマレーザ(クリプトン・フッ素:248nm)→ArFエキシマレーザ(アルゴン・フッ素:193nm)のように短波長化されてきた。現在は、最微細パターンにはArFエキシマレーザが用いられ、さほど微細でないパターンはKrF エキシマレーザのステッパが用いられている。3. エキシマ・レーザとは エキシマレーザについて簡単に紹介しておくと、Excimer はExcited Dimmer の略で、励起二量子体、とでも訳すのだろうか。周期律表の右端にある元素は不活性ガスと呼ばれ、これらの原子構造は最外殻の電子が閉核しており、余分な電子や空席がないので、他の原子と結合することがなく、頑なに閉じこもって不活性である。ところがパルス放電などで電子を剥ぎ取って励起状態にすると、喜び勇んでフッ素など他の原子と結合して分子を形成する。この分子状態から元の基底状態に遷移する際にレーザ発振を起こす。これがエキシマと呼ばれるレーザで、リソグラフィの露光に用いられる。4. Mix & Match Overlay どんな装置でも、装置ごとのくせがある。ステッパの場合は超微細加工を扱うので、この装置ごとのくせが問題となる。マスク上は正常なのにウエハ上では変形している様子の一例を図5 に示す。1 回目と2 回目を同一の装置で露光する場合は、くせが同じなのでアライメント(Alignment:位置あわせ)できるが(同一装置でも1ヶ月も使うと様子が変わるが)、異なる装置で露光する場合は、このくせを補正する必要がある。これをMix & Matchと呼び、1 回目と2回目を合わせることをオーバーレイ(Overlay:重ね合わせ)と呼んでおり、最先端のパターンでは3nm 程度のあわせ精度が要求され、光学系を微妙に調整してこの精度を出している。図4 解像度と焦点深度を表すレーリーの式図5 露光パターンの変形図3 ステッパのよる露光の原理