ブックタイトル実装技術3月号2014年特別編集版

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概要

実装技術3月号2014年特別編集版

18電子機器の進展を支える配線板技術12   はじめに 電子機器の小型化、高機能化及び高発熱化により、プリント配線板に要求される熱特性(特に熱伝導性)が注目されてから、はや10年が経とうとしている。その間に当社では、様々な高放熱プリント配線板の開発に取り組んできた。また、近年Si-Cに代表されるパワー半導体の登場により、プリント配線板に要求される耐熱温度も上昇傾向にある。そのために当社は、いち早く動作温度が200℃を超えるプリント配線板の評価及び製造に取りかかったので、本稿で発表する。    高放熱プリント配線板の歴史1. フラット基板 2006年、高出力通信機器向けに最初の高放熱プリント配線板の依頼があった。内容的には、プリント配線板の一部をくり貫き、銅板を貼り合わせる構造であった(図1)。採用した銅板の厚みは200μ m、1回でエッチングできるギリギリの厚みを採用した。次に選択を要したのが基板と銅板を貼り付けるための接着シートであった。これは、基材との貼り合わせが容易であること、貼り合わせ後に微細加工ができること、積層時の樹脂はみ出しが少ないことが必要条件となることから、京セラケミカル(株)様のご協力により、フレキシブル基板に用いるボンディングシートを採用し、様々なプレス条件でテストを行い、無事に最適条件を見つけることができた。 この基板の特徴は、高熱を発する部品が熱伝導度400W/mKの銅板の上に載っていることであり、発生した熱はすぐに銅板全体及びその下部に伝えることができることであった。 この商品は最終的には量産化にはならなかったが、高い評価をいただいた。2. アルミベースプリント配線板 アルミベースプリント配線板との出会いは、液晶バックライト用LED基板であった。国内外のメーカーから製造依頼があり、基材は(株)日本理化工業所製のものを用いた。(株)日本理化工業所様には、材料開発・評価からUL対応にいたるまで、本当に良く対応していただいた。その中で、外形加工のノウハウやVカット加工のノウハウを蓄積することができた。また、山栄化学(株)様の、高反射でなおかつ黄色く変色しないタイプの白色ソルダレジスト採用により、さらに基板の評価が上がった。 当社製のアルミベース基板を使った新製品が、フラットパネルディスプレイ展やCEATEC展示会に出展されるたびに喜びを感じたものである。高放熱プリント配線板から高耐熱プリント配線板へ(株)ちの技研 / 一色 和彦図1 フラット基板の構造図2 アルミベースプリント配線板の構造